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臥龍通信

臥 龍 通 信 第98号 <2005.2.20発行>
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  ◆ 臥 龍 通 信 第 98号 ◆
    日本の対中貿易

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 ◆ 臥 龍 通 信 第98号 ◆
    日本の対中貿易

日本の対中貿易

2005年の1月から、2004年の日本の対中貿易が米国との貿易額を超えたといっせいに報道され始めました。財務省が1月26日に発表した速報値で香港を含む中国との貿易が22兆2000億円となり、対米貿易額を対中貿易額が超えたことを発表しました。もともと、日本の統計は水増し統計や意図的な操作があるのは、ITのインターネット普及率や科学者研究者の数などで経験済みですが、やっと中国との貿易についても正確な数字を発表しなければならないほど、日本の対中貿易関係が密接になってきました。

ITのインターネット普及率では、PC利用のインターネットの普及率が低いので、韓国では計算に入れない携帯電話のメール利用者までインターネット利用者として計算して、日本は大幅なインターネット普及率を水増し発表していました。科学研究者の数も博士号取得者の基準を採用する海外の統計に対して、日本では大学卒業の学士研究者を数として計算するなどの水増し科学研究者数の発表もありました。日本の対中貿易も中国本土の単独統計でこれまで発表してきましたが、やっと中国本土や香港や台湾などの中国圏で考えるようになりました。経済評論家もいっせいに対中貿易額の急激な増加を話題にしていますが、台湾を中国の領土と認める日本の立場から考えれば、中国貿易額は中国本土と香港と台湾の個別統計と合算統計を発表するべきでした。

日本の貿易相手国別ランキング(2004年)

日本の貿易相手国

輸出額

輸入額

貿易総額

中国(香港を含む)

11兆8300億円

10兆3700億円

22兆2000億円

中国圏

16兆3729億円

12兆1723億円

28兆5452億円

米国

13兆7205億円

6兆7589億円

20兆4795億円

韓国

4兆7860億円

2兆3847億円

7兆1708億円

台湾

4兆5429億円

1兆8023億円

6兆3452億円

ドイツ

2兆0506億円

1兆8461億円

3兆8968億円

英国

1兆6357億円

7197億円

2兆3554億円

EU全体

9兆4741億円

6兆2077億円

15兆6819億円

アジア全体

29兆6423億円

22兆2120億円

51兆8544億円

総額

61兆1829億円

49兆1721億円

110兆3550億円

出所:財務省

日本の対中貿易は、2004年ではなく2003年の段階で中国圏(中国本土・香港・台湾)合計貿易額は米国との対米貿易額を超えていました。2003年世界貿易ランキングで日本の輸出は4719億ドル、輸入は3830億ドルで日本の貿易総額は8549億ドル、中国の輸出は4384億ドル、輸入は4128億ドルで中国の貿易総額は8512億ドルで日本の貿易額を同等のレベルまでに中国貿易は2003年の時点でも成長していました。2003年の中国圏(中国本土・香港・台湾)の貿易総額は1兆5857億ドルで、中国圏の貿易総額は日本の約2倍の貿易額にまで成長していました。

2004年の日本貿易速報値によれば、すでに日本の貿易額の20%が中国本土で、25%が中国圏(中国・香港・台湾)になり、対米貿易が20%を割ってしまいました。日本にとって中国はすでに米国を超える貿易相手国になっており、日本の経済成長はまさに中国の経済発展に依存しています。

一方、中国本土の2004年の貿易総額は、日本の貿易総額の約1兆700億ドルに対して、中国本土の貿易総額は1兆1547億ドルで、香港や台湾を計算に入れない中国本土だけで日本の貿易総額を超えてしまいました。2004年の世界貿易ランキングは第一位が米国、第二位がドイツ、第三位が中国本土、第四位が日本になりました。香港や台湾の貿易額を合算しないでも、中国本土は日本を超える貿易大国に成長しました。

中国の2004年の貿易相手国は、EUが第一位で、米国が第二位で、日本は中国の貿易相手国としては第三位の地位になりました。日本の貿易相手国として、中国は第一位だけれども、中国にとって日本は貿易相手国として第三位という関係が成立しています。

すでに米国にとっても、世界にとっても中国の経済的な存在感は日本をはるかに凌駕しています。世界の軍事大国、経済大国、教育大国、エネルギー大国などの評価を受けるようになった21世紀の中国の存在を日本はあらためて考える必要があります。

中国の粗鋼生産量
中国の発展振りを考えるよい指標に、粗鋼生産量があります。大規模建設事業のための経済発展には粗鋼生産量は重要な指標と考えますが、中国の建設向け鋼材原料である粗鋼生産量の増加は急激で2005年も生産量が減少する気配もありません。中国の建設景気で日本の鉄鋼業も中国輸出を増加させていますが、日本や米国の約3倍の建設鋼材を生産してもまだ足りない中国の建設ラッシュを見ると、急速に発展する中国の新たな姿を感じます。日本全国の高層ビルを集めても、上海の高層ビル数にも足りないという中国の建設ラッシュは驚きでもあります。EUの25カ国と米国の合算粗鋼生産量よりも中国の粗鋼生産量が多いのは、まさに驚きの経済発展です。

2004年・2005年の粗鋼生産量

国名

2004年生産量

2005年生産予定

中国

2億7245万トン

3億1000万トン

日本

1億1267万トン

米国

9854万トン

9800万トン

ロシア

6428万トン

6500万トン

韓国

4700万トン

インド

3400万トン

ブラジル

3300万トン

EU(25カ国)

1億9350万トン

2億トン

世界62カ国合計

10億3549万トン

出所:日本鉄鋼連盟

参考文献:
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」
臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第108号「中国から見た日本」
臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」

発行日 発行No タイトル
2004.12.30 第94号  日本の教育
2004.12.30 第93号  北朝鮮問題
2004.11.30 第92号  崩壊する日本
2004.11.30 第91号  日本の国家経営者
2004.11.10 第90号  韓国技術エリートの台頭
2004.11.10 第89号  21世紀構想研究会記念フォーラムのご案内
2004.10.15 第88号  観光立国(ビジット・ジャパン)
2004.09.05 第87号  IMDと社内大学
2004.09.05 第86号  実力主義の「人間管理」と「能力管理」
2004.08.11 第85号  日本の戦後問題 
2004.08.11 第84号  2007年問題 
2004.07.23 第83号  企業経営と国家経営 
2004.07.23 第82号  未公開株の取引 
2004.07.02 号外  スウェーデン・プロジェクト
2004.07.01 第81号  日本の政治の大改革 
2004.06.21 第80号  日本の21世紀の課題 
2004.05.25 第79号  美しい日本の国土再生
2004.05.10 第78号  激動する世界情勢
2004.05.10 第77号  現代日本の問題点
2004.04.25 第76号  企業経営とITと知的財産権 
2004.04.25 第75号  「韓流」の映画とドラマ 
2004.04.08 第74号  日本のIT産業の実力
2004.04.08 第73号  「科学技術」と「職人技能」
2004.03.29 第72号  「攻殻機動隊」と「イノセンス」
2004.03.12 第71号  日本近代史の分岐点
2004.02.22 第70号  21世紀の大学改革
2004.02.22 第69号  行動する日本人の時代
2004.02.12 第68号  21世紀の日本人と日本社会 
2004.01.27 第67号  国家経営力統計
2004.01.10 第66号  年金問題の本質
2003.12.02 第65号  日本マンガの実力
2003.12.02 第64号  日本の政治
2003.10.17 第63号  企業就労と健康と個人の幸福 
2003.10.17 第62号  知的財産権政策後退の阻止 
2003.09.26 第61号  地域主義の新たな潮流
2003.08.20 第60号  日韓の近代・現在史
2003.08.20 第59号  国連問題と日本外交
2003.07.10 第58号  国家経営力(2) 
2003.07.10 第57号  国家経営力(1) 
2003.06.25 第56号  特許戦略よりも知性戦略
2003.06.07 第55号  『日本の知性は死んだのか?』 
2003.06.07 第54号  経営力の時代(3) 
2003.06.07 第53号  経営力の時代(2) 
2003.06.07 第52号  経営力の時代(1) 
2003.04.25 第50号  朝鮮半島の中国と米国の関係  
2003.04.25 第49号  日本のITの基礎知識(5)  
2003.04.25 第48号  日本のITの基礎知識(4)  
2003.04.25 第47号  日本のITの基礎知識(3)  
2003.04.25 第46号  日本のITの基礎知識(2)  
2003.04.25 第45号  日本のITの基礎知識(1)  
2003.03.10 第44号  日本の産業競争力
2003.03.10 第43号  日本の安全保障
2003.03.10 第42号  日本の知性創造サイクルの変革

中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋  隆


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