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臥龍通信

臥 龍 通 信 第94号 <2004.12.30発行>
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 ◆ INDEX ◆

  ◆ 臥 龍 通 信 第 94号 ◆
    日本の教育

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 ◆ 臥 龍 通 信 第94号 ◆
    日本の教育
日本の教育

年末に日本の教育界に激震が襲いました。
オランダに本部がある国際教育到達度評価学会(IEA)は、2003年に実施した算数と数学と理科の学力の国際比較調査の結果を発表しました。
小学校は世界25カ国の116000人、中学校は世界26カ国の224000人の調査で、日本は小学校150校の4500人、中学校は146校の4800人が参加しました。

小学生4年生の算数
順位 国名
1位 シンガポール
2位 香港
3位 日本
4位 台湾
5位 ベルギー

中学2年生の数学
順位 国名
1位 シンガポール
2位 韓国
3位 香港
4位 台湾
5位 日本

算数と数学は、シンガポールと香港が日本の上位にあって、中学の数学ではアジアのシンガポール、韓国、香港、台湾が日本の上位にあって、アジアが独占状態です。

小学生4年生の理科
順位 国名
1位 シンガポール
2位 台湾
3位 日本
4位 香港
5位 英国


中学2年生の理科
順位 国名
1位 シンガポール
2位 台湾
3位 韓国
4位 香港
5位 エストニア
6位 日本

理科でも、小学生ではシンガポールと台湾が日本の上位にあり、中学ではシンガポール、台湾、韓国、香港に抜かれています。

さらに、経済協力開発機構(OECD)の2003年度に41カ国学習到達度を調査した結果が、年末に発表されましたが、この調査はIEAの調査と違い15歳の生徒の学習到達度を評価しました。日本の生徒の評価は、科学的応用力では2位、問題解決能力では4位、数学的応用力では6位、読解力では14位と、もはや世界最高水準とは言いがたい結果が発表されました。

科学的応用力
順位 国名
1位 フィンランド
2位 日本
3位 香港
4位 韓国
5位 リヒテンシュタイン

問題解決能力
順位 国名
1位 韓国
2位 香港
3位 フィンランド
4位 日本
5位 ニュージーランド



数学的応用力
順位 国名
1位 香港
2位 フィンランド
3位 韓国
4位 オランダ
5位 リヒテンシュタイン
6位 日本

読解力
順位 国名
1位 フィンランド
2位 韓国
3位 カナダ
4位 オーストラリア
5位 リヒテンシュタイン
6位 ニュージーランド
7位 アイルランド
8位 スウェーデン
9位 オランダ
10位 香港
11位 ベルギー
12位 ノルウェー
13位 スイス
14位 日本

IEA調査 小学校4年の算数 3位
IEA調査 小学校4年の理科 3位
IEA調査 中学2年生の数学 5位
IEA調査 中学2年生の理科 6位
OECD 15歳の科学的応用力 2位
OECD 15歳の問題解決能力 4位
OECD 15歳の数学的応用力 6位
OECD 15歳の読解力 14位

思ってもいない国際機関の厳しい評価結果に、文部科学省や現場の教師たちの様々な意見が危機感を持って報道されました。子供たちの学力の低下は深刻であるとの意見が大半を占めました。

また、国内では大学生に対する驚くべき調査結果が報告されています。
独立行政法人「メディア教育開発センター」の調査によれば、大学生の「日本語力」が低下し、中学生レベルの国語力しかない大学生が国立大で6%、4年制私立大で20%、短大では35%にのぼることが、明らかになりました。
平成16年度に入学した33大学・短大の大学生約13000人を対象に、中一から高三相当の問題を盛り込んだテストを行い、平成14年度に中高生に実施したテスト結果と照らし合わせた結果によれば、中学生レベルと判定された大学生は、5年前に行われた調査と比較して、国立大が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数年間で大きく増加していることが分かりました。
平成15年度の国立大学の大学生は約62万人で、その6%が中学レベルの国語力とすれば、約3万7千人の中学レベルの大学生がいることになります。私立大学では20%の約41万2千人、短大では35%の約8万7千人が国語能力で中学レベルということになります。
テストの結果では、外国人留学生でも大学院生はほぼ全員が「高校レベル」をクリアしており、「留学生より日本語ができない日本人大学生が、日本の大学には相当数いるのが実情」ということも判明しました。実際には、留学生よりも日本語ができない日本の大学生が約293万人の中で約53万人以上いることになりました。

大学生一人あたり、小学校・中学校・高校・大学と国民の税金と個人資金の約3000万円以上という世界最大の教育コストかけた大学生教育は、まさに危機に直面しています。
大学で大学生に大学教育をする前に、中学校レベルの日本語教育をしなければならない事態に大学は2007年問題以上の課題をかかえることになりました。

平成15年度
短大       約25万人(35%が中学レベルの国語力で約8万7千人)
私立大学約  約206万人(20%が中学レベルの国語力で約41万2千人)
国立大学約  約62万人(6%が中学生レベルの国語力で約3万7千人)

日本の教育の崩壊が叫ばれていますが、子供たちの国際評価に比べて日本の大人の国際評価はどうなのでしょう?

日本の子供の国際評価
IEA調査 小学校4年の算数 3位
IEA調査 小学校4年の理科 3位
IEA調査 中学2年生の数学 5位
IEA調査 中学2年生の理科 6位
OECD 15歳の科学的応用力 2位
OECD 15歳の問題解決能力 4位
OECD 15歳の数学的応用力 6位
OECD 15歳の読解力 14位

日本の大人社会への国際評価
IMD調査 世界競争力総合評価 23位
IMD調査 ビジネスの効率性 37位
IMD調査 政府の効率性 37位
IMD調査 大学教育の経済性 58位
IMD調査 管理職の国際性 59位
トランスペアレンシー 汚職清潔度ランキング 24位

子供の学力低下を深刻に心配する大人たちですが、日本の大人社会の国際評価は、日本の子供に対する評価よりもはるかに深刻ではないでしょうか?
日本で心配なのは子供ではなく、大人の方だと感じるのは私だけでしょうか?

関連資料:「臥龍通信」
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」
臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」
臥龍通信第108号「中国から見た日本」
臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のイネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」
臥龍通信第93号 北朝鮮問題
臥龍通信第60号 日韓の近代・現代史
臥龍通信第59号 国連問題と日本の外交
臥龍通信第50号 朝鮮半島の中国と米国の関係
臥龍通信第43号 日本の安全保障

発行日 発行No タイトル
2004.11.10 第90号  韓国技術エリートの台頭
2004.11.10 第89号  21世紀構想研究会記念フォーラムのご案内
2004.10.15 第88号  観光立国(ビジット・ジャパン)
2004.09.05 第87号  IMDと社内大学
2004.09.05 第86号  実力主義の「人間管理」と「能力管理」
2004.08.11 第85号  日本の戦後問題 
2004.08.11 第84号  2007年問題 
2004.07.23 第83号  企業経営と国家経営 
2004.07.23 第82号  未公開株の取引 
2004.07.02 号外  スウェーデン・プロジェクト
2004.07.01 第81号  日本の政治の大改革 
2004.06.21 第80号  日本の21世紀の課題 
2004.05.25 第79号  美しい日本の国土再生
2004.05.10 第78号  激動する世界情勢
2004.05.10 第77号  現代日本の問題点
2004.04.25 第76号  企業経営とITと知的財産権 
2004.04.25 第75号  「韓流」の映画とドラマ 
2004.04.08 第74号  日本のIT産業の実力
2004.04.08 第73号  「科学技術」と「職人技能」
2004.03.29 第72号  「攻殻機動隊」と「イノセンス」
2004.03.12 第71号  日本近代史の分岐点
2004.02.22 第70号  21世紀の大学改革
2004.02.22 第69号  行動する日本人の時代
2004.02.12 第68号  21世紀の日本人と日本社会 
2004.01.27 第67号  国家経営力統計
2004.01.10 第66号  年金問題の本質
2003.12.02 第65号  日本マンガの実力
2003.12.02 第64号  日本の政治
2003.10.17 第63号  企業就労と健康と個人の幸福 
2003.10.17 第62号  知的財産権政策後退の阻止 
2003.09.26 第61号  地域主義の新たな潮流
2003.08.20 第60号  日韓の近代・現在史
2003.08.20 第59号  国連問題と日本外交
2003.07.10 第58号  国家経営力(2) 
2003.07.10 第57号  国家経営力(1) 
2003.06.25 第56号  特許戦略よりも知性戦略
2003.06.07 第55号  『日本の知性は死んだのか?』 
2003.06.07 第54号  経営力の時代(3) 
2003.06.07 第53号  経営力の時代(2) 
2003.06.07 第52号  経営力の時代(1) 
2003.04.25 第50号  朝鮮半島の中国と米国の関係  
2003.04.25 第49号  日本のITの基礎知識(5)  
2003.04.25 第48号  日本のITの基礎知識(4)  
2003.04.25 第47号  日本のITの基礎知識(3)  
2003.04.25 第46号  日本のITの基礎知識(2)  
2003.04.25 第45号  日本のITの基礎知識(1)  
2003.03.10 第44号  日本の産業競争力
2003.03.10 第43号  日本の安全保障
2003.03.10 第42号  日本の知性創造サイクルの変革

中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋  隆


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