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臥 龍 通 信 第64号 <2003.12.02発行> http://www.Nakajima-MSI.com |
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◆ 臥 龍 通 信 第 64号 ◆ 日本の政治 ◆ Nakajima-MSI INFORMATION ◆― 臥龍通信入退会のご案内 |
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| ◆ 臥 龍 通 信 第64号 ◆ 日本の政治 |
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| 日本の政治 衆議院の総選挙が終わりました。予想とは違って投票率は約60%で、40%の日本国民が、国家の選択に参加しない選挙になりました。 国民はその国民に見合った政治しか求めることはできないという事実を、また思い知る選挙になりました。愚かな政治家を嘆くよりも、優れた政治家を育成できず、選挙さえ行かない愚かな国民を嘆く時代なのでしょうか。 今回の選挙の争点は、年金と景気と雇用にあったと言われています。しかし、本当に年金と景気と雇用が争点だったのでしょうか。 年金問題を議論する政治家がテレビにも多く出席して議論をしていました。国民は年金というお金が欲しいわけではありません。働ければ60歳以上でも働き、年金に頼らない生活がしたいのです。日本社会で働き、社会貢献ができる高齢者の社会が欲しいのですが、高齢者の雇用などありえない前提では、年金がせめてもの収入として考えられるというだけなのですが、そこのところが日本の政治家先生には分かっていません。お金をばらまけば国民は満足するほど簡単ではないのです。社会で必要とされ、社会貢献をする充実感はお金以上に、これからの高齢者時代には必要なことなのです。 年金問題の本質 若者の年金不信は大きな問題ですが、若者の年金不信には大きな理由があります。まず浪人したりして大学を卒業して、企業で50歳まで働いても25年ほどしかありません。年金は25年払わないともらえませんから、大学を卒業して企業にリストラもされず50歳まで働き25年以上の期間年金を払えるとはとても考えられない状況が現実としてあります。退職金もなく、雇用の保証もない時代に25年間の年金負担は無理という結論を出すことは、現在の若者を考えれば、十分に理解できます。20歳から60歳までの40年間国民年金を払い続けられる国民が日本にどれだけいるのでしょうか。国民年金であれば払いつづけても月額約6万円の年金では、まず生活できません。政府の年金政策は現実の国民生活から大きく乖離しています。40年間年金を払い続けて約6万円で、年金を一切払わなかった人の生活保護費は、地方自治体でも差がありますが約17万円では、誰が年金を払おうと思うのでしょうか。また40代でリストラの対象ともなれば、60歳までどうやって生活するのでしょうか。40歳代でリストラされた国民は、15年から20年の時間を雇用も年金もなしで生活できるのでしょうか。年金を納めなくても、年金の約2倍から3倍の生活保護費が認められる限り、年金の議論は成り立ちません。国民の悩みと不安を十分に受け止められない国家経営が、さらなる政治不信を生み出しています。 生活する国民の気持ちがわからず、年金を払う国民の状況を理解しない年金議論なんて聞いても無駄ですし、終身雇用の年金制度が、ソニーでさえ30代社員2万人のリストラを打ち出す終身雇用崩壊の時代にあって、年金制度だけが時代遅れであることは議論する必要もないことです。期間で支給するのではなく、総支払額で年金が決まる制度などの議論がなぜ政治家先生はできないのでしょうか。 日本の政治家先生は、政治家としても三流かもしれませんが国家経営者としてはアジアでも最低ランクに位置するでしょう。日本の政治家に欠けていることは、21世紀の政治家は優れた国家経営者でなければならないということです。企業経営者と同様に、政治家は国家経営をいかに効率よく行うかの国家経営手法の専門家でなければならないのです。 世界第二位の経済大国である日本の評価は、世界経済フォーラムの「ダボス会議」による2003年世界競争力ランキングでは第11位、第5位の台湾や第6位のシンガポールなどにも遅れをとり、技術力でも第5位、財政支出効果では第74位、公制度の効率性は第30位、経済政策の集中度は第84位、創業の行政手続負担は第80位、銀行の健全性は102ヶ国中で第102位の最下位、農業政策コスト第100位、経済性を歪める補助金制度で第90位など、とても先進国とは思えない現状評価がなされました。世界第二位の経済大国である日本の国家経営がいかに貧弱であるかが明確になっています。 「ダボス会議」2003年 日本の世界競争力ランキング 世界競争力総合ランキング 第11位 技術力 第5位 財政支出効果 第74位 公制度の効率性 第30位 経済政策の集中度 第84位 創業の行政手続負担 第80位 銀行の健全性102ヶ国中 第102位 農業政策コスト 第100位 経済性を歪める補助金制度 第90位 日本のIT戦略の成果 ジュネーブの国際電気通信連合(ITU)の発表によれば、2003年の世界178ヶ国のIT利用先進度ランキングで日本は、第15位にランクされました。 第4位の韓国、第7位の香港、第9位の台湾についで、日本の総合ランキングは第15位で、通信の質については第20位、通信インフラ整備は第27位、携帯電話の普及率も第31位と評価され、経済大国とIT大国の日本の評価は世界でも第二位と言われている資金力と人材力と技術力を持つ国家として、費用対効果の極めて低い大いなる無駄遣い国家として評価されました。 国民が望む国家経営 平成12年の日本の中央政府歳出は約63兆円で地方政府が約96兆円で、合計すると約159兆円です。日本の政府部門の歳出だけで、中国のGDPを超えます。民間部門が約385兆円で、中国のGDPの3倍以上です。これほどの資金力がありながら、日本国民は犯罪の増加と失業という苦しみを味わっています。世界に誇る資金力と人材力がありながら、日本は犯罪や雇用や医療や教育や景気などと多くの問題を解決できていません。政治家の仕事が国家経営であることが分からない限り、この日本という国家の再生はありえません。 政治学で言えば、政治とは確かに政治団体のパワーゲームでしょう。政党や政治家の政治闘争という20世紀の政治を続けていては、現在のグローバル化した世界経済の中では、政治家と官僚栄えて国民滅ぶの選択です。 21世紀の政治とは、国家資源を最大限に活用し効率の高い国家経営を実践することで、党派や派閥闘争などしていては、世界変化のスピードに大きく遅れていきます。 日本の国民のための国家経営を実践できるのであれば、政党や政治家の理念など取るに足らない議論です。政党が合併しようが、理念を捨てようが、日本国民のための国家経営実践のためならば、どんなことでも国民は理解します。 年金を議論するなら、期間ではなく支払い総額で議論するべきだし、雇用を議論するなら履歴書の性別・年齢・学歴を排除し、職歴だけで採用試験をするべきです。 犯罪も、大きな犯罪を点数稼ぎに追っても、小さな犯罪が取り締まれなければ犯罪は劇的に増加します。小さな犯罪の撲滅こそが大きな犯罪を劇的に減少させるということは、現在警視庁が学ぼうとしているニューヨークを見ても明らかです。 日本国民は、楽をして"バカ"にはなりなくないのです。国家から年金を受け取り、楽したいのではないのです。高齢者でも社会貢献でき、収入が確保できる雇用が欲しいのです。国民にお金を与え楽させるのが、日本の政治家の仕事と国民は思っていないのです。 日本の政治家が、日本の企業経営者と同様に優れた国家経営者となる以外に、21世紀の日本の再生はありません。自民党も民主党も優れた国家経営者の集団として、日本の国家経営をどう効率よくスピードある経営にしていくかを考えて欲しいと思います。 日本の国家経営最大の欠点は、スピードがないことです。民間では3ヶ月で体制を構築し、6ヶ月で具体的な実績を証明しなければ生き残れません。1年経っても具体的な実績がなくても国家経営者でいられる日本の政治家先生方は、楽な仕事です。 小泉首相が唱える「構造改革」とは郵政事業の民営化や道路公団の民営化ですが、小泉改革はほんとうに国民の生活を脅かす最優先課題に取り組んでいるのでしょうか。生命と財産の危険がある不法滞在者の犯罪問題や日本の未成年者の犯罪増加と治安維持機能が低下した警察機構問題も重要ですが、医療ミスを犯しても医師免許が剥奪されず、医療ミスで患者を殺しつづける可能性のある医師が仕事を続けられる医師制度の改革も進まないし、小学生や中学生や高校生などの学生に性的な違法行為や暴力行為を行い、懲戒免職になった教師が3年の免許停止で教職に復帰することができ、同じ行為を繰り返す可能性を排除できない教師制度の変革も進みません。国民の生命や財産や子供の安全に関わる問題が後回しになり、国民の生命と財産には危険がない道路や郵政の改革こそが改革だと最優先に扱われます。はっきり言って、小泉さんの問題解決の優先順位は間違っていませんかと言いたい心境です。 政治家の評価とは、選挙区地元へのサービスではなく、国家経営者として何をなしたのかで評価されるべきです。政党の公約などではなく、その政治家個人が国家経営者として何をなしたかで選択されるべきです。愚かな国民は愚かな政治しか持ち得ないという教訓は、政治の問題が政治家の問題ばかりでなく、国民の問題でもあることを示しています。 日本の政治家に対して、国家経営者としての責任を明確に要求していく国民であるかをもう一度考える総選挙でありました。 * 医師が医療ミスをして、刑事事件として告発できない場合、民事訴訟で賠償金を要求できますが、賠償金は医師が訴訟に負けても保険会社が支払うので、医師の賠償負担はありません。医師は医療ミスを繰り返しても、医師免許を剥奪されることはあまりありません。 * 教師は、懲戒免職になっても教師免許は剥奪されず、3年間の教師免許停止の後に教師免許は復活し、違った県で教師採用試験に合格すれば教師として仕事ができます。当然過去を隠して試験を受験することも考えられ、教師資格の永久剥奪はできません。 現実に免許停止の復活教師が教壇に復帰しているのです。 参考資料:「北欧通信」
参考資料:「臥龍通信」
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| 中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋 隆 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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