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臥 龍 通 信 第54号 <2003.06.07発行> http://www.Nakajima-MSI.com |
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| ◆ 臥 龍 通 信 第54号 ◆ 経営力の時代(3) |
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経営力の時代(3) 人生経営力 日本の国民には、歴史的な一族の繁栄という認識が確立していません。明治以降に、名前を持った民族の歴史は、日本の歴史の長さに比べて、個人の歴史が非常に短いことを感じさせます。日本の歴史の中で公家や武士の家系は、一部ですが歴史的な一族の家系がありますが、一族の家系として千年や5百年を超える家系の歴史が、ほとんどの日本国民にありません。一族の歴史的な家系の考え方は、まず個人の役割を明確にしていきます。一族の繁栄のための子孫に対する教育や個人の人生の設計まで明確にしていきます。日本人はアジア人ですが、アジア民族の一族繁栄の概念は、日本人にはほとんどなくなってしまいました。個人の人生をただゆたかに暮らすことと一族の繁栄のために人生設計を明確にして、自分の役割を果たしていこうとする生活とは根本的に違いがあります。 歌手としても女優としても有名なオリビア・ニュートン・ジョンは、万有引力を発見したニュートンの子孫で、一族からノーベル賞受賞者が何人も出て、オリビア本人もいくつも博士号を持つ秀才でもあります。 マイクロソフトのビル・ゲイツの正式な名前はウィリアム・ヘンリー・ゲイツ三世で両親は共和党の支持団体で活躍しました。祖父はパシフィック・ナショナル銀行の副頭取で、曾祖父はナショナル・シティ銀行の創始者で、ビル・ゲイツはJ・P・モルガン財閥の一員でもあります。ビル・ゲイツは生まれる前から成功を約束されている階級の一員でした。 米国ウォール街の銀行も投資会社も彼らの富を増やすために存在するといわれる米国の三大富豪家がありますが、総資産額約200兆円を超えるアスター家、総資産額100兆円を超えるドイツ系のロックフェラー家やオランダ系のヴァンダービルト家の政治や経済の支配力は圧倒的です。米国の富豪家は歴史的な株価暴落の資産危機の時にあっても、資産を減らすことはなく、これまでどんな金融危機の時でも米国の富豪家は資産を増加させてきました。東京証券取引所の1日7000億円ほどの証券取引市場など一瞬で崩壊させるだけの金融支配力ある米国富豪家ですが、ヴァンダービルト家は特に日本と歴史的にも深い関係がありました。 1953年、江戸時代の末期に浦賀に米国の黒船(大型蒸気船)が4隻やってきてペリー提督が、翌年の1954年に7隻の大艦隊で再度来航し、日本を開国させる日米和親条約(神奈川条約)を結びますが、ペリー提督は小笠原と沖縄の米国海軍による占領まで米国政府に進言していました。米国政府が承認しなかったために、ペリー提督の小笠原と沖縄占領は実現しませんでしたが、この時に小笠原と沖縄が米国に占領統治されていれば、その後の日本の歴史は大きく変わったものになったでしょう。当時の米国の大型蒸気船66隻を所有して、ペリー提督に大型蒸気船を貸し、徳川政権に開国を迫った人物こそが、当時から米国の軍事と物流を支配してきた初代のヴァンダービルト家の創始者であるコーネリアス・ヴァンダービルトでした。米国の名門軍人一族として有名なペリー家ですが、ペリー家もヴァンダービルト一族の一員として、この時代から多くの支援を受けてきました。 時間と空間を超越して、その時代に必要な卓越した人材を教育し、一族の繁栄を未来永劫に可能にする考え方は欧米もアジアも同じです。このような意識が、日本国民に明確に意識されているかというと、私はまったく自信がありません。子孫の教育は、国家政府や地方政府の問題でもなく、社会の問題でもなく、一族の繁栄を未来永劫に考える国民個人の問題と思うのは私だけでしょうか。 目先の成功や経済的なゆたかさではなく、一族の繁栄が国家の繁栄と同じことだと考える欧米やアジアの一族の考え方は、卓越した知性の教育と誇りある一族の繁栄にあると考えると、壮大な人類の歴史の中で生きる人間の生き方が見えてきます。人類の歴史の中で、圧倒的な知性力と経済力と軍事力で人類社会の発展を主導してきたアジアが、一時的に欧米優位の時代になったとしても、人類社会の50%を占めるアジア人民の知性力と経済力と軍事力が永遠に失われたとは思いません。ユーラシア大陸の大半を占めるアジア人民の知性力がアフリカや南米に先駆けて爆発する時代が21世紀であるならば、アジア人民の一族繁栄の考え方は、日本人は真剣に学ぶ必要があります。 国家経営力も企業経営力も個人の人生経営力も、その時代に生きる卓越した人間知性の教育が決定していきます。国家経営力や企業経営力や個人の人生経営力ある人材を創造する社会教育制度や企業教育制度や国民教育制度をどのように構築するか。日本人はいまこそ原点にもどって考える時期だと思います。目先の経済復興や一代限りの豊かさを追い求めるのではなく、世界に誇る知性ある子孫の教育を真剣に考えることが必要です。歴史的に国家の滅亡は必ずしも民族の滅亡ということではありません。未来永劫繁栄する子孫の存在が、民族の繁栄を決定し最終的には国家をも救うと考えます。世界のどこに住もうとどんな国籍を持とうと、日本人という意識は民族に帰属することであって、国家に帰属することではありません。 中国の華僑の6千万人は米国で5名のノーベル科学賞受賞者を出し、米国の科学技術を教える工科大学教授7千人以上を輩出し、シリコンバレーでは約3万6千人の中国人博士が働いていました。華僑の年間所得は約82兆円6千億円で資産約400兆円以上、居住する国家に年間約30兆円以上の税金を支払っています。華僑の資産は今後5年程で日本のGDP約500兆円を超えるでしょう。インドの印僑2千万人は年間所得約19兆円で資産は約80兆円を超えます。その他に韓国の韓僑の5百万人など、本国以外で世界中に広がるアジアのネットワークが本国の経済発展と国家体制の改革に大きな貢献をしています。アジアの膨大な世界ネットワークは国家政策や国家を頼った国民によるものではなく、人間個人の勇気と情熱によって構築されました。 未来永劫繁栄する子孫の教育や人類社会への貢献を考えると、日本という国家体制のために生きるだけではない別の選択が見えてきます。日本に帰ることばかり考えている日本の海外居住者250万人という時代から脱却し、世界中に広がった数千万人の日本人知性の世界ネットワークが日本の本国経済さえも支える時代、日本人の新たな世界貢献の時代が21世紀であると確信します。個人の資源と資産を未来永劫に有効活用し、人類社会に多大な貢献をし、多くの社会的な価値を生み出す卓越した人間集団である血族集団の繁栄は、人生という限界を持った個人の知性が時間と空間を超越する手段でもあったのです。そして、多くの血族の資源と資産を有効活用していく、統合された血族集団の経営力が現在も巨額な資産を生み出し、国家を容易に滅ぼす力さえ持つ富豪家一族の繁栄を可能にしています。 |
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| 中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋 隆 | ||||||
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