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臥龍通信

臥 龍 通 信 第50号 <2003.04.25発行>
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  ◆ 臥 龍 通 信 第 50号 ◆
    朝鮮半島の中国と米国の関係

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 ◆ 臥 龍 通 信 第50号 ◆
   朝鮮半島の中国と米国の関係

1950年6月25日、北朝鮮人民開放軍は朝鮮半島の38度線を越境して、韓国に侵攻しました。韓国の首都ソウルは3日で陥落し、8月15日には洛東江まで侵攻しました。北朝鮮軍は韓国のほぼ全土を支配し、釜山まで韓国軍を追い詰めました。釜山が陥落すれば朝鮮半島は北朝鮮によって統一され、他国の介入は不可能になるところでした。9月15日に、国連決議による米国中心の国連軍が仁川上陸作戦で朝鮮戦争に介入し、北朝鮮人民軍の退路をふさぎました。9月26日に、国連軍はソウルを奪還し、10月1日には38度線を越えて、北朝鮮に侵攻しました。10月20日には平壌(ピョンヤン)を攻略し、11月20日には鴨緑江までの北朝鮮を占領しました。朝鮮半島は国連軍によって統一される状況で、新たな軍隊が介入しました。中華人民共和国の人民義勇軍100万人が北朝鮮を支援し、国連軍は38度線まで後退し、再びソウルは中華人民共和国に占領されました。その後、38度線で戦線は膠着し、1951年の夏に休戦会談が始まり、休戦協定が成立するのは、1953年7月27日までかかりました。

朝鮮戦争によって失われたものは、日本が建設した朝鮮全域のすべての工場や建設物などのインフラと200万人の人命でした。朝鮮戦争で米国と韓国が学んだ教訓は、北朝鮮は中国が支援する限り武力攻撃では滅ぼせないという教訓でした。逆に、北朝鮮はどんなに韓国に戦争挑発行為をしても、中国が支援する限り、一度負けた韓国や米国に勝てない2度目の攻撃をされることはないという教訓でもありました。

休戦協定が成立しても、北朝鮮の韓国侵略行為は継続され、多くの越境攻撃を繰り返しました。 北朝鮮の問題は大きな政治問題として日本のマスコミで盛んに報道されています。米国はイラクと同じような行動を北朝鮮に対してできるかと問題にされます。しかし、歴史的な教訓からすれば、米国が中国の介入を無視して北朝鮮に武力攻撃することはないでしょう。朝鮮半島は歴史的に2千年以上、中国を宗主国としてきた関係上、北朝鮮は中国の影響下にあり、中国が宗主国である限り、韓国も米国も国連軍さえも手を出しようがない国家として存在します。日本の北朝鮮外交は、まさに間違いであるわけで、北朝鮮問題の交渉相手は北朝鮮ではなく宗主国たる中国です。中国に「今後、いかなる支援も北朝鮮にはしない。」と宣言させるだけで、北朝鮮の生存の可能性は絶たれます。米国や韓国が最も望んでいることは、北朝鮮に対する中国の影響力の行使です。

つまり、北朝鮮を中国に併合してもいいから、北朝鮮の体制を中国が責任を持って崩壊させることです。北朝鮮は中国の指導者による近代化を目指すという構想です。米国と韓国は中国の北朝鮮支配を拒否しないとすれば、日本は中国に対して、どのような意思表明をするのかが問題です。北朝鮮の将来を考えれば、歴史的な宗主国である中国に、一時的に北朝鮮の改革を任せることは平和的解決として朝鮮民族にも不満はないと考えます。拉致問題、覚せい剤問題、核問題などの北朝鮮問題のキーポイントは、北朝鮮問題を宗主国中国の責任問題として、中国の責任で解決することを要求していくことだと考えます。中国が欧米や日本との経済発展による繁栄を選択するか。また、経済援助と軍事援助の負担ばかりで、世界的に批判される北朝鮮を選択するか。中国の選択は明らかだと思います。日本は米国と韓国と協力して、中国に賢明な選択を促すだけで、北朝鮮問題を解決できるのです。北朝鮮の存在の基本である中華人民共和国人民軍の支援を絶ち、中国に北朝鮮問題の解決の責任を負わせることは、朝鮮戦争で100万人の軍隊を送って国連軍と戦い、北朝鮮を存続させた責任のある中国にとっては当然のことなのです。

関連資料:「臥龍通信」
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」
臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」
臥龍通信第108号「中国から見た日本」
臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のイネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」
臥龍通信第93号 北朝鮮問題
臥龍通信第60号 日韓の近代・現代史
臥龍通信第59号 国連問題と日本の外交
臥龍通信第50号 朝鮮半島の中国と米国の関係
臥龍通信第43号 日本の安全保障

参考資料:公開コンテンツ
9.  韓国固有の価値観 (1) 〜 韓国語の価値観
 韓国固有の価値観 (2) 〜 韓国社会の価値観
 韓国固有の価値観 (3) 〜 韓国の政治における価値観
 韓国固有の価値観 (4) 〜 韓国の企業経営における価値観
 韓国固有の価値観 (5) 〜 韓国人の価値構造
2002.05
8.  韓国の歴史的社会文化構造 (1) 〜 韓国人の血縁
 韓国の歴史的社会文化構造 (2) 〜 韓国人の地縁
 韓国の歴史的社会文化構造 (3) 〜 韓国の軍閥と学閥
 韓国の歴史的社会文化構造 (4) 〜 韓国の財閥
2002.05

中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋  隆


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