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臥 龍 通 信 第48号 <2003.04.25発行> http://www.Nakajima-MSI.com |
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| ◆ 臥 龍 通 信 第48号 ◆ 日本のITの基礎知識(4) |
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数学的分野でもOR(オペレーションズ・リサーチ)の線形計画法は、1947年くらいからシンプレックス法(1947)、双対理論(1947)、経済モデル(1948)、資源の最適配分(1975ノーベル賞)、組み合わせ論的解法(1977)、多項式アルゴリズム(1979)、新多項式アルゴリズム(1984)と研究が続けられており、これらの理論や手法はMRP、MRPII、ERPの製造、物流、SCMの需要・供給計画などに応用されています。 経営学においても、経営モデル、戦略モデル、市場モデルなどのモデル化手法、マーケティングのデータマイニング数値分析手法、統計解析、リスク分析など、ERPの周辺は学術的成果である理論や手法の宝庫です。日本人がERPを考える時は、IT業界の専門家も企業の基幹業務パッケージとだけ理解している場合が多く、背景理論など知ろうともしません。ERPやSCMの背景理論の膨大な蓄積の歴史とさらに進化するソフトウェア工学を考えると、これまで日本のIT業界が高度な理論体系の現実利用という明確な形で企業システムを構築したことがあっただろうかと考えてしまいます。私はERP、SCM、またBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)という言葉を聞くたびに言葉の流行に踊るのではなく、それらの言葉の背景にある論理を生み出してきた英知ある研究者の膨大な研究を考えます。そして、それらの理論や手法を科学的に理解し、具体的な企業システムのパッケージまで組み上げてしまう欧米のソフトウェア技術者にあらためて尊敬の意識を持つのです。 日本のIT業界に欠けていたものは、欧米ソフトウェア・パッケージは膨大な研究とその理論の成果が背景にあり企業経営への具体的な応用を可能にするには、その背景理論の理解が必要であるとの認識だけではありません。ソフトウェアが特許であるという認識も根本的に欠けていました。1999年から登場するビジネスモデル特許の騒動は、根底にはソフトウェアが特許であるとの日本のIT業界の認識欠如から来ていました。1998年当時に私はマイクロソフトのWindowsが膨大なソフトウェア特許の集合体であることに驚きました。1990年代にマイクロソフトはWindowsのために、1700を超えるソフトウェア特許を取得していました。WindowsやOracleやSAPやPeopleなどほとんどの欧米ソフトウェア・パッケージは膨大なソフトウェア特許で守られている現実に、私はIT業界の人間として驚愕しました。日本のIT業界のエンジニアに特許という認識があるかと考えた時に、日本のIT業界のエンジニアに対する特許教育の必要性の大きさに目覚めました。その後、ビジネスモデル特許の本を出版し、年間50回を超える講演活動を通して、IT業界の特許教育の必要性を説いて回ることになります。 日本の知的財産権業界はビジネスモデル特許が登場する1999年以前は、約4万人ほどの業界でした。1999年以降、知的財産権の問題はIT業界や企業経営の大きな問題として取り上げられ、60万人を超える業界へと変貌しました。2001年には知的財産権のブランドが話題となり、2002年は知的財産会計が話題となり、知的財産権は企業経営に大きな影響を及ぼす存在としての地位を獲得し、国家産業戦略としても重要であると認識されるに至りました。これほど注目されても、日本のIT業界で知的財産権が十分に理解されたとはいえません。これまで講演でIT業界の3万人の人々に訴えてきましたが、ビジネスモデル特許は知っているが、ソフトウェア特許にはまったく知識がないという状況は日本のIT業界でまだ改善されてはいません。日本のIT業界で使っている欧米のソフトウェア製品のアイデアを真似した場合に、どんな特許違反となるかのIT業界の教育はこれから始まります。 |
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| 中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋 隆 | ||||||
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