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臥 龍 通 信 第46号 <2003.04.25発行> http://www.Nakajima-MSI.com |
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| ◆ 臥 龍 通 信 第46号 ◆ 日本のITの基礎知識(2) |
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1960年代のMRPと発注点方式の論争、1965年のジョセフ・オキーリーの「独立需要と従属需要の原則」、1980年代にはアンドレ・マーチンは、従属需要概念を物流在庫管理に適用し、ロビン・クーパー、ロバート・カプランの「ABC原価会計」やゴールドラットの「制約の理論」、「スループット会計」も、現在より20年以上も過去に米国で提唱されたものです。最近、このような理論体系を盛んに取り上げて本が売れていますが、理論発表から20年以上も経っている理論を最先端理論のように語る日本人IT専門家には呆れてしまいます。このような米国国防総省の軍隊経営理論や攻撃理論の研究を歴史背景に、欧米の経営研究者やソフトウェアベンダーは、ERPやSCM(サプライチェーン・マネジメント)を現在の状況からさらに進化させようとしています。ERPやSCMということは簡単ですが、その背景理論の歴史と進化しつづける最先端理論を日本のIT専門家が十分に理解して、ERPやSCMと言っているかと考えると大いに疑問が残ります。 ERPやMRPが企業の業務を対象にしていますが、SCMは企業のサプライチェーンを対象としています。つまり国家や世界の全体に点在する資材購入企業数千社と製造部品数十万点、製造拠点数十工場、製造工程数百工程、人員数万人、物流企業数千社、販売企業数万社、小売店舗数十万店舗、これらの要素の最適な組み合せを時間という要素(分、時間、日、週、月、年とSCMはスケジューリングできる機能があります。)をさらに加えて答えを提示してくれます。 ERPは、数十の言語、数十通貨に対応しています。同じオフィスで中国人、韓国人、日本人、米国人が同じ業務を同じソフトウェアを使って、それぞれの言語で行うことが可能です。ERPはどの国家でどの言語で、どの通貨を使うという制約を受けません。OracleのERPの人事モジュールを例に上げれば、1998年当時に、すでにGEの全世界22万人の人事、ブリティシュテレコム8万人の人事、そして米国国防総省の軍人200万人の人事をERPパッケージで可能にしていました。そして、SCMは企業の全世界市場を前提に、全世界の資源配分の最適化を可能にします。 ERPやSCMは、もうすでにGlobal Resource Planning というGRPなのかも知れません。 ERPが基幹系と呼ばれるのとは対照的に、情報系と呼ばれるシステムがあります。1999年ぐらいから注目されたデータウェアハウスもOLAPもSFAやCTIと同様の情報系と呼ばれるシステムです。どの企業も基幹系システムは似ていますが、情報系は企業の戦略的部分が色濃く反映されます。基幹系システムがなければ企業は機能しませんが、情報系システムはなくてもなんとかなりました。日本が市場開放と規制緩和に動かなければ、ERPはもちろんSCMもSFAもCTIも、そしてデータウェアハウスやOLAPについても、日本企業が注目することはなかったでしょう。日本企業が業界の中で形だけの競争をしてきたのとは違い、生き残りをかけた競争に突入した現在では、企業戦略をいかに迅速に実現できるかに企業生命がかかっています。企業戦略の実現を可能にする情報系システムの重要性は競争激化の時代になって、大きくクローズアップされることになったのです。 企業の統合的資源管理(企業全体の効率性の追求)、資源利用計画、関連企業や顧客に至るまでの企業業務の合理化など、企業業務の複雑化にさらに市場や顧客の分析機能を強力に追加する必要性が企業戦略上生まれてきました。企業が抱える膨大な情報の有効利用のための分析システムとして、あらたにデータウェアハウス、OLAP、データマイニングといったソフトウェアが、1999年くらいから企業システムに導入され始めました。いわゆる意思決定支援システムです。 データウェアハウスは1990年にインモン(William H.Inmon)が提唱した"意思決定のためのデータ倉庫"のことで、ERPが日々集めた膨大なデータの集積であるデータベースからマーケティングなどに必要なデータを抽出し、整理することで意思決定支援のデータを整備する考え方です。代表的なデータウェアハウス・ソフトウェアとしてはRed Brick Systems のRed Brick Warehouse がありましたが、従来型のリレーショナル・データベース(RDB)が基幹業務システムERPのデータ処理、OLTP(On Line Transaction Processing)を主眼に設計されているのに比べて、データウェアハウスはデータ分析、OLAP(On Line Analytical Processing)を主眼に設計されています。 |
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| 中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋 隆 | ||||||
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