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臥 龍 通 信 第142号 <2006.06.20発行> http://www.Nakajima-MSI.com |
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| ◆ INDEX ◆ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆ 臥 龍 通 信 第 142号 ◆ 上海協力機構 ◆ Nakajima-MSI INFORMATION ◆― 臥龍通信入退会のご案内 |
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| ◆ 臥 龍 通 信 第142号 ◆ 上海協力機構 |
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| 上海協力機構 中国が経済発展するとともに、周辺の国家と歴史的な関係修復が加速度的に進んでいます。国家統合の理念や民族が時代で変化してきた中国は、現在は共産主義と言う理念で国家統合を成し遂げ、商業民族という本来の中国民族の本質に向かって加速度的に国家の本質を変化させています。アジア大陸にあって歴史的に関係の深い中央アジアの国家群と中国は新たな時代を築き始めています。今回は中国が推進する「上海協力機構」を特集します。 上海協力機構は、1996年4月にロシア、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの5カ国が上海で協定を結び、2001年6月にはウズベキスタンが加盟して、6カ国地域協定として成立しました。加盟国6カ国の面積はユーラシア大陸の60%を占め、人口は約15億人で、6カ国合計GDPは2004年で約2兆5千億ドルにもなります。2004年からは、モンゴル・ウルスの関係を強化するモンゴルがオブザーバーとして参加し、2005年からはイラン、インド、パキスタンがオブザーバーとして参加するようになりました。2006年はアフガニスタンがゲストとして参加し、加盟国6カ国、オブザーバー4カ国、ゲスト1カ国のアジアの11カ国が参加する地域協定として機能し始めています。 【上海協力機構・参加11カ国】 (加盟国6カ国) ・中国(胡錦濤国家主席) ・ロシア(プーチン大統領) ・カザフスタン(ナザルバエフ大統領) ・タジキスタン(ラフモノフ大統領) ・キルギス(バキエフ大統領) ・ウズベキスタン(カリモフ大統領) (オブザーバー4カ国) ・インド(デオラ石油大臣) ・イラン(アハマディネジャド大統領) ・モンゴル(エンフバヤル大統領) ・パキスタン(ムシャラフ大統領) (ゲスト1カ国) ・アフガニスタン(カルザイ大統領) 上海協力機構は、最初は地域協定として始まりましたが、現在は石油や天然ガスなどのエネルギー協定や地域内金融協定など経済的な協定も進んでいます。上海協力機構は地域内銀行連合体という広域金融協力のシステムもあり、加盟国6カ国ではすでに銀行連合体を設立して、すでに約800億円規模の金融プロジェクトや約2300億円の地域内共同インフラ整備プロジェクトなどが動き始めています。上海協力機構は設立当初から、中国の代表企業約70社、ロシア代表企業約40社、中央アジア各国の代表企業など、多くの大企業経営者も参加する地域協力機構として設立され、上海協力機構の地域内経済の貿易や投資の協力や技術協力など、上海協力機構内の経済統合を目標に連携を進めています。 中国は上海協力機構で中央アジアの政治や経済や安全保障の分野で協力し、華僑が活躍する東南アジア諸国連合(ASEAN)とも連携した大アジア経済圏の中心になりつつあります。今や中国と経済的に密接な関係にある北朝鮮や韓国や台湾を考えると、アジアは中央アジアから北東アジアも東南アジアも南西アジアもすべて中国を中心に大アジア経済圏が構築されそうです。 圧倒的な経済力と技術力のある日本ですが、米国の国際戦略に追従することで日本は多くの可能性を失っているようにも思えます。アジアの宗教や民族の多様性を受け入れていく中国のアジア戦略はキリスト教とユダヤ教を至上主義として他民族を弾圧していく米国の戦略とは大きく違うようです。ダビンチコードで注目を集めるキリスト教ですが、キリスト教の歴史は異端審問というキリスト教徒の弾圧と異教徒に対する侵略の歴史でした。現在もバチカンのカトリック教会からは異端とされているキリスト教ネストリウス派のキリスト教徒は2000年の歴史があり中央アジアには数多く信者が存在し、イスラム教徒やヒンズー教徒と争うことなく平和的に共存しています。バチカンと同様に異教徒の自由を認めない米国の国際戦略に同調する日本は、ユダヤ教のイスラエルには核武装を認めてもイスラム教国家には核武装を認めない立場にあります。 北朝鮮の核武装が日本や米国でも大きな問題となっていますが、上海協力機構には加盟国の中国とロシアが核武装していますし、オブザーバーのインドとパキスタンも核武装しています。中国が本気になれば、北朝鮮の国家体制も核武装も吹っ飛んでしまうのですが、日本と米国は平和的に中国を説得することがいまだにできていません。北朝鮮を米国が爆撃しても、北朝鮮に上陸占領しなければ北朝鮮の国家体制は崩壊しませんし、北朝鮮攻撃は韓国の重大な脅威となるために、米国や日本の北朝鮮攻撃は韓国や中国の支持を受けることはできません。米国が北朝鮮占領の上陸を行えば、韓国は中立を宣言するするでしょうし、中国は中国軍を北朝鮮支援として準備するでしょう。米国が北朝鮮に対して大規模な軍事行動ができないのであれば、中国を説得するのが最大最良の手段ですが、日本は中国を非難してばかりで、協力してもらう関係さえ築けません。靖国参拝を止めることで、北朝鮮の拉致問題や核武装問題を中国に協力させることができるのであれば、靖国など参拝しなくても、日本は十分に外交的利益を得られるのですが、日本の首相の心の問題が北朝鮮の拉致問題や核問題よりも重要と考える日本国民には北朝鮮問題を中国に解決させるだけの決断ができません。たったひとりの日本人の心の問題が拉致問題や核問題よりも重いと考える限り、日本人に北朝鮮問題は解決できません。 ダビンチコードにも出てきますが、キリスト教は異端として多くのキリスト教徒を皆殺しにしてきました。結局、ヨーロッパ内の異端とされたキリスト教徒はテンプル騎士団のように皆殺しにされ、異端とされたキリスト教徒はバチカンの影響力の及ばない安全な異教徒の地で異教徒から弾圧されることなくネストリウス派やコプト派など多くのキリスト教が生き残りました。神道で考えれば、アマテラス以外の神道信者は皆殺しとか、仏教で考えれば禅宗以外の仏教徒は皆殺しといった蛮行を行ったことになりますし、同じ宗教の教徒間での皆殺しが終われば、今度は異教徒の皆殺しを始める宗教など、私は信じる気にもなりません。 世界の軍事費と武器輸出 スウェーデンのストックホルム平和研究所(SIPRI)が発表する年次報告書で、世界の軍事費が発表になりました。2005年の世界の軍事費の合計は約1兆1180億ドルで、米国が世界の軍事費の約50%の約5071億ドルを占めることが分かりました。圧倒的な軍事費の米国ですが、米国以外の世界中の国家の軍事費を合計しても米国の軍事費よりも小さいとは驚きと言うしかありません。また、中国脅威論が盛んな日本ですが、まだ日本よりも小さな軍事費で、中国の大きさとユーラシア大陸の多様性を考えれば、日本の10倍でもおかしくはないのですが、この程度で日本は中国を脅威と言うのは中国を恐れすぎです。米国のような空母や長距離爆撃機もない中国がどうやって日本に上陸して日本を侵略するのか。中国が感じる米国や日本の脅威論は軍事費でも理解できますが、米国や日本の軍事費と中国の軍事費を比較すれば、日本の中国脅威論はまさに陳腐です。 世界の軍事費(2005年) 1位 米国 5071億ドル 2位 英国 576億ドル 3位 フランス 541億ドル 4位 日本 453億ドル 5位 中国 443億ドル 6位 ドイツ 358億ドル 7位 イタリア 320億ドル 8位 ロシア 288億ドル 9位 サウジアラビア 254億ドル 10位 インド 237億ドル 戦争と紛争の輸出 人類社会は残念なことですが、いまだに戦争と紛争を輸出しています。人殺しの武器を輸出して利益を上げるなどあってはならないのですが、武器輸出が大きな産業として人類社会には存在します。 英国のシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)は、毎年「ミリタリー・バランス」を発表していますが、戦争の輸出でもある武器輸出では米国が圧倒的な存在です。米国は2005年で約185億ドルもの武器輸出をしており、第二位のロシアの約45億ドルの4倍の武器輸出をしています。第三位はフランスの約43億ドルで、第四位の英国は約20億ドルで、第五位のドイツは約8億ドルでした。 世界の武器輸出(2005年) 1位 米国 185億ドル 2位 ロシア 45億ドル 3位 フランス 43億ドル 4位 英国 20億ドル 5位 ドイツ 8億ドル 人類社会は膨大な軍事費や武器輸出なしに、平和的に地域統合と地域平和が可能と考えます。膨大な軍事費と武器生産が必要な平和をこれからアジア国家が望むのかと言えば、決して欧米型の平和を望まないと思います。アジアは過去にアジアを支配しようとした欧米や日本とは違う統合体を目指し始めています。その盟主に中国がなろうとしているのは、歴史的な必然のようにも思えます。中国は歴史的に広域安全保障の同盟や戦争よりも商業交易のほうが、はるかに利益があるということを知っている商業民族です。アジアの多様性の文化と経済が欧州文明の単一宗教観と単一経済観に挑戦を始める時代が始まっています。欧州型の生活規範と経済活動をグローバルスタンダードと言っては押し付け、民族国家の異教徒の価値観も生活規範も認めず、武力による干渉さえ躊躇しない文明ではなく、それぞれの民族国家がそれぞれの宗教生活規範にしたがった経済活動を自由に選択していく時代が始まっているのです。 キリスト教の神こそが人類唯一の神である必要もなく、生まれては神社にお宮参りをし、結婚式はキリスト教会で行い、死んだ後は仏教の戒名をもらい仏教式でお墓に入る不届きな国民でもない生き方が世界にあることも認める時代が来たのです。 参考文献: 臥龍通信第66号「年金問題の本質」 臥龍通信第117号「独裁政治への道(郵政民営化法案騒動)」 臥龍通信第121号「郵政民営化法案の欠陥」 公開コンテンツ「日本の官僚主義」 公開コンテンツ「厳しい国家財政」 公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」 公開コンテンツ「危機意識なき日本」 臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」 臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」 臥龍通信第108号「中国から見た日本」 臥龍通信第106号「最近の中国対立」 臥龍通信第98号「日本の対中貿易」 臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」 臥龍通信第94号「日本の教育」 臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」 臥龍通信第87号「IMDと社内大学」
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| 中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋 隆 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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