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臥 龍 通 信 第135号 <2006.04.07発行> http://www.Nakajima-MSI.com |
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◆ 臥 龍 通 信 第 135号 ◆ 就学援助と都市内格差 ◆ Nakajima-MSI INFORMATION ◆― 臥龍通信入退会のご案内 |
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| ◆ 臥 龍 通 信 第135号 ◆ 就学援助と都市内格差 |
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| 就学援助と都市内格差 朝日新聞や雑誌など、多くの報道機関や専門家が驚いていますが、就学援助の増加が新たな格差の問題となっています。公立の小中学校で鉛筆やノートなどの文房具代や給食費や修学旅行費などが支払えない家庭が増加して、就学援助を受ける児童・生徒の数が2004年度までの4年間に4割近くも増え、就学援助の受給率が4割を超える自治体もあることが明らかになりました。 文部科学省によると、就学援助の受給者は2004年度で全国に約133万7000人の小中学生がいて、2000年度より約37%増えました。就学援助の受給率の全国平均は12・8%で、都道府県で最も高いのは大阪府の27.9%、東京都の24.8%でした。市区町村別では東京都足立区が突出しており、1993年度は15.8%だったのが、2000年度に30%台に上昇し、2004年度には42.5%に達しました。東京や大阪では4人に1人、全国平均でも10人に1人以上が就学援助学童になりました。 2004年の就学援助データ *鉛筆やノートなどの文房具費や給食費や修学旅行費が払えない小中学生の数: 全国で約133万7000人 *就学援助を受けている児童の全国平均: 全国公立小中学校の12.8% *都道府県ワースト: 第一位 大阪府 27.9% 第二位 東京都 24.8% *地方自治体ワースト: 第一位 東京都 足立区 42.5% 最新の東京23区の就学援助率: 足立区 47.2% 墨田区 36.9% 板橋区 36.3% 北区 33.7% 荒川区 33.7% 江戸川区 32.9% 江東区 32.9% 葛飾区 30.4% 大田区 30.1% 品川区 29.5% 中野区 26.9% 練馬区 26.3% 台東区 25.6% 港区 25.5% 渋谷区 24.2% 新宿区 22.9% 豊島区 22.0% 杉並区 21.9% 文京区 15.4% 世田谷区 14.9% 中央区 14.4% 目黒区 13.0% 千代田区 6.7% 最新のデータでは、東京都の公立小中学校の5人に1人や3人に1人、足立区は小中学生の約半分が鉛筆やノートが買えず、給食費が払えない就学援助を受けている危機的事態となっています。就学援助児童の全国平均が12.8%ですが、東京23区は全国平均の就学援助率よりも高く、全国平均よりも低い就学援助率は東京23区で千代田区だけです。日本の都市と地方の格差が問題になっていますが、東京都という大都市で住民の格差が急激に拡大しています。鉛筆やノートが買えず、給食費の数千円が払えない小中学生が学級の47%や30%を超えるような公立学校の現状は学ぶ以前の問題で学級崩壊が当然といえる事態です。 なぜ、就学援助児童の全国平均よりも大都市の就学援助児童の数が多くなっているのかというと、東京は全国区で日本中から人間が集まり、これまでは競争に負けた人間は地方に帰っていく構造がありましたが、その構造が崩壊してしまったことに原因があります。大都市で負けても、帰る地方の生活が崩壊して帰る地方がなく、大都市の最下層として生きていくしかない大都市圏の最下層の増加が加速度的に進んでいるのです。 日本の地方の悲劇は、国鉄の民営化に始まりました。赤字の鉄道やバス路線は廃止されて、日本政府は自動車があるからと言って、地方の交通手段を子供や高齢者から奪ってしまいました。自動車を使えない学生や高齢者は地方都市へと移動しました。残った自動車を使う人々も鉄道を使わなくなって、地方都市の駅前商店街に出かけることもなくなりました。郊外の大規模店舗の出現で、県庁所在地などの地方都市の駐車不便な商店街よりも、郊外の大規模小売店舗を利用するようになり、地方都市の商店街はお客を失い、商売ができなくなりシャッターで閉ざされたシャッター通りになりました。日本政府は地方都市の再生のために地方の大規模小売店舗の規制を始めますが、いまさら郊外の大規模店舗を規制しても、地方都市には自動車を受け入れるだけの大規模な駐車場もないから、一度去ってしまったお客は政府の規制でも戻ってはきません。地方都市の衰退は地方の人々を都市へと移動させましたが、地方とは比べものにならないコストがかかる大都市生活の中で地方から出てきて大都市で競争に敗れれば、帰る地方もなく大都市の最下層としての生活しかありません。日本の大都市は、人材供給の地方の役割を軽視した結果、地方崩壊都とともに日本の大都市の重要な人材供給拠点を失ってしまいました。そして、現在は大都市の中に深刻な所得格差と教育格差を生み出し、大都市の中に非常に危険な持つものと持たざるものとの対立を生み始めています。東京はすでに地域によって犯罪率も教育水準も大きく違う新たな大都市病の時代に突入しつつあるのです。 世界第二位の経済大国の日本が、全国で約133万7000人の就学援助児童を抱え、現実に国内を見ればまともに教育も受けられない小中学生が加速度的に増加しているのです。大都市東京で、小中学校の約半分の生徒が就学援助児童の足立区など、これまでの日本では考えられない事態ですが、日本政府は小中学校の教育費や援助費を増加させるのではなく、削減を決定しました。地方の経済を大都市の経済のために犠牲にしてきた結果が、大都市の人材供給が地方からは望めない状況を生み出し、大都市に地方から出てきた大量な最下層住民を抱え、大都市の中に教育による努力ではなく暴力による大きな対立の危機を生み出しています。大都市東京の公立小中学校の教育の現場はすでに学ぶ以前に経済的に崩壊しているのです。 東京都で、鉛筆やノートや給食費が払えない児童がいる一方で、年間100万円を超える授業料を払う私立小中学校に行く児童もいます。 東京都の私立中学進学率: 私立中学進学率 ベスト3: 中央区 40.7%(中央区の就学援助率14.4%) 千代田区 38.8%(千代田区の就学援助率6.7%) 文京区 38.7%(文京区の就学援助率15.4%) 私立中学進学率 ワースト3: 江戸川区 11.1%(江戸川区の就学援助率32.9%) 足立区 11.5%(足立区の就学援助率47.2%) 葛飾区 12.8%(葛飾区の就学援助率30.4%) また、払わないのか、また払えないのか、税金の滞納率も経済大国の大都市東京がこの程度かという結果です。税金滞納率が高いのは、東京23区で、荒川区が12.9%、最も低いのが文京区の5.5%です。大都市東京で税金滞納が荒川区では10人に1人以上で、文京区で20人に1人いることになります。日本の納税率も高くないと痛感する数字です。 東京23区税金滞納率: 荒川区 12.9% 足立区 12.1% 文京区 5.5% 杉並区 6.6% 日本は大企業が過去最高の利益を上げて、日本の経済は良くなっていると言いますが、日本のどこが良くなっているのでしょうか。もはや、日本の教育の現場を悪くはできても、良くはできない日本政府に、何を望むのでしょうか。今後10年で約133万人の就学援助児童はどれだけ増加していくのでしょうか。公立教育を放棄した国家に未来はありません。 参考文献: 臥龍通信第66号「年金問題の本質」 臥龍通信第117号「独裁政治への道(郵政民営化法案騒動)」 臥龍通信第121号「郵政民営化法案の欠陥」 公開コンテンツ「日本の官僚主義」 公開コンテンツ「厳しい国家財政」 公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」 公開コンテンツ「危機意識なき日本」 臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」 臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」 臥龍通信第108号「中国から見た日本」 臥龍通信第106号「最近の中国対立」 臥龍通信第98号「日本の対中貿易」 臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」 臥龍通信第94号「日本の教育」 臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」 臥龍通信第87号「IMDと社内大学」
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| 中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋 隆 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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