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臥龍通信

臥 龍 通 信 第134号 <2006.4.02発行>
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  ◆ 臥 龍 通 信 第 134号 ◆
    世界から見た日本2006

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 ◆ 臥 龍 通 信 第134号 ◆
    世界から見た日本2006

世界から見た日本2006

日本人の幻想と限界
日本人は、小学校から日本は世界第二位の経済大国で世界にも日本という国家は良く知られていると教わります。アジアだけでなく世界に対して日本人の優秀性を強調する教育は、多くの場合大変な間違いをを教える結果になっています。小学校から日本人の優秀性を教えられる子供たちは自然とアジアや発展途上国に対して、理由なき日本人の優越感の中で育てられます。人類社会で優秀な民族も優秀でない民族も存在しません。人類の永い歴史の中で、民族が優秀であるか、また優秀でないかは無意味な議論ですが、日本社会では子供の時代に日本人の優秀性を教え込まれます。人類社会にあるのは、優秀な民族ではなく、民族や国籍や宗教や言語に関係ない優秀な個人の存在だけで、民族全体が優秀などありえない事実が平気で日本では教えられています。最先端の遺伝子工学で証明された日本人が韓国人と同じミトコンドリアDNAを持つ事実を考えても、日本人が遺伝的に韓国人であることを多くの日本人は知りませんが事実なのです。優秀な個人は存在するが民族全体が優秀だということは、日本人には犯罪を犯す者がいないというくらいの議論でしかありません。英語で議論する中国や韓国の大学生に、日本の大学生が日本語で日本人は優秀だという議論していて、日本の大学生は外国語も満足に話せないのに、なぜ日本人が優秀だと言うのかと問われて、日本人には自分以外に優秀な人間がたくさんいると言い訳するしかありません。私は日本人の優秀さを語るには、まず自分の能力を持って日本人の優秀さを語る必要があると痛感します。自分は優秀ではないが他の日本人は優秀な人間がたくさんいるから日本人が優秀など議論にもなりません。日本人であるだけで優秀であると思い込まされる日本の子供たちは、人類社会で個人の能力を問われたときに、日本人の優秀さを説明できる根拠を持ちません。しかし、理由なき日本人の優越感は決して日本の教育からなくなりません。日本社会が教える日本人の幻想と誤解は、世代を超えて継承され、これからの21世紀の時代には日本人の幻想が大きな日本人の限界として日本人を狭い国土に押し込めていくでしょう。

一度は訪問してみたい国家
私は海外旅行した大学生によく聞くことがあります。海外旅行した国の歴史や言語や文化をどう思うかです。ほとんどの大学生が観光に行っただけで、その国の歴史や文化や言語を知らないし、特別興味があったわけではないと答えます。日本人の観光とはこの程度ですから、日本を一度は訪問したいという海外に向かった観光の準備も日本はできないでいます。日本は世界中から一度は訪問したい国と考えられているかは経済だけでない日本の歴史や文化の重要な国際評価といえます。日本民族は優秀な民族で理想的な社会を築き上げた国家であるならば、日本の観光客が2004年で約614万人で、中国の約4176万人や韓国の約883万人よりも少ない世界30位くらいであることは不思議と考えなければなりません。世界から日本を見れば、一度は訪問したい国としての評価は世界30位程度の中国や韓国よりも評価の低い国ということです。日本人が誇る日本という国は世界から見れば、日本の車や家電やアニメは知っているけれども、アジアの端の国民にも国家にも興味ない、訪問したいとも思わない国が日本というのが事実なのです。アジアを蔑む日本人ですが、優秀で歴史ある文化も高い日本なのに、なぜ中国や香港やタイやシンガポールやマレーシアやインドネシアや韓国よりも、日本を訪問する海外の旅行客が少ないのでしょう。日本の大学生は答えることができません。

世界観光機関(WTO)は「世界旅行客ランキング」を発表していますが、世界第一位の旅行客が訪れるのはフランスで日本の約614万人の10倍以上の7510万人が毎年世界中からフランスを訪問します。この国際機関である世界観光機関(WTO)の予想では、2020年には、日本の人口より多い海外から1億3700万人の旅行者が中国を訪れ、中国が世界1位の観光国となると報告しています。まさに中国が2020年には世界中の注目を集める世界一の国家になるのです。

世界観光機関(WTO)調査
2004年の世界旅行客ランキング
1位  フランス     7510万人
2位  スペイン    5360万人
3位  アメリカ     4610万人
4位  中国       4180万人
5位  イタリア     3710万人
6位  イギリス     2770万人
7位  香港       2180万人
8位  メキシコ     2060万人
9位  ドイツ      2010万人
10位 オーストリア  1940万人

ダボス会議
毎年1月下旬に、スイスの観光地ダボスで開催される年次総会を、日本ではダボス会議と言いますが、加盟する企業のトップ、政治家・学者・ジャーナリストなどの招待客、およそ2,000人近くが毎年参加します。ダボス会議ではスイスの経営開発国際研究所(IMD)とは異なる国家のビジネスを中心とする世界競争力ランキングやIT競争力ランキングを発表しています。ダボス会議が2006年度版の「IT世界競争力ランキング」を発表しましたが、日本は、シンガポール(2位)、台湾(7位)、香港(11位)、韓国(14位)、に次いでIT世界競争力ランキングで16位とランキングされました。また、ビジネス中心に評価した世界競争力ランキングで、日本はアジアでは台湾(5位)、シンガポール(6位)に次いで12位でした。

ダボス会議
2006年度版
IT世界競争力ランキング
1位  米国
2位  シンガポール
3位  デンマーク
4位  アイスランド
5位  フィンランド
6位  カナダ
7位  台湾
8位  スウェーデン
9位  スイス
10位 英国
11位 香港
14位 韓国
16位 日本
40位 インド
50位 中国

ダボス会議
世界競争力報告 (Global Competitiveness Report)
2005-2006ランキング
1位  フィンランド
2位  アメリカ合衆国
3位  スウェーデン
4位  デンマーク
5位  台湾
6位  シンガポール
7位  アイスランド
8位  スイス
9位  ノルウェー
10位 オーストラリア
11位 オランダ
12位 日本
13位 イギリス
14位 カナダ
15位 ドイツ
17位 韓国
28位 香港
49位 中国
50位 インド

日本の国際競争力(IMD2005)
スイスの経営開発国際研究所(IMD)が「2005年世界競争力年鑑」を発表しました。日本の世界競争力の総合ランキングは昨年の2004年度版の23位から21位とランクを上げました。IMDは世界60地域と国家で、4つの分野で314項目の調査を行い、各分野ランキングや総合ランキングを発表しています。IMDの4つの調査分野は「マクロ経済」、「政府の効率性」、「ビジネスの効率性」、「インフラの整備」の4分野で、さらに詳細な調査項目の314項目で、各国の著名な大学教授や研究者の協力で毎年調査結果を発表しています。

IMD2005年度ランキング
1位 米国
2位 香港
3位 シンガポール
4位 アイスランド
5位 カナダ
6位 フィンランド
7位 デンマーク
8位 スイス
9位 オーストラリア
10位 ルクセンブルグ
11位 台湾
12位 アイルランド
13位 オランダ
14位 スウェーデン
15位 ノルウェー
16位 ニュージーランド
17位 オーストリア
18位 ババリア地域(ドイツ)
19位 チリ
20位 浙江省(中国)
21位 日本
22位 英国
23位 ドイツ
24位 ベルギー
25位 イスラエル
26位 エストニア
27位 タイ
28位 マレーシア
29位 韓国
30位 フランス
31位 中国

日本は世界一貧困な国家?
OECD(経済協力開発機構)による加盟国の所得分配と貧困の現状に関する比較調査で各国の貧困率という考え方があります。OECDは、国民の標準的な所得の半分を基準にして、それを下回る所得しかない人を「貧困」と定義しています。各国の標準所得の設定に使われているのは、所得の「平均値」ではなく「中央値」です。所得の「中央値」とは、国民を所得順に並べたときに真ん中になる人の所得額です。
2002年の厚労省の国民生活基礎調査によると、日本の一世帯当たり年間所得の平均値は590万円、中央値は476万円です。OECDの貧困率の定義で考えると、中央値の半分238万円より所得の少ない世帯の割合が貧困率となります。貧困率のOECD平均は10.4%で、メキシコが第一位で20.3%、アメリカが17.1%、トルコが15.9%、アイルランドが15.4%、そして日本は15.3%で第5位です。反対に、最も低いのはデンマークで4.3%、チェコが4.3%、スウェーデンが5.3%、ルクセンブルクが5.5%でした。2002年の日本の貧困率は年収238万円以下が15.3%で第5位ですが、2005年ではすでに年収200万円以下が20%を超えました。OECD加盟国の貧困率の調査を現在行えば、先進国の中だけでなく日本の貧困率はメキシコを超えて世界一になっているかもしれません。

世界第二位の経済大国で、「先進国でも最も豊かな国家」である日本は、「世界で最も貧困率の高い貧困の国家」になろうとしています。中国の所得格差の3倍を超えて、日本は約9倍以上の所得格差で、生活保護を受ける収入よりも低い収入の世帯が20%を超える国家など、「世界第二位の経済大国の豊かな国家」とは言えません。働いても生活保護の収入より低いから働かない決断をした時に、日本政府は4678万世帯(2000年)の20%の935万6千世帯が生活保護を受けるようになれば、新たに20兆5800億円の税金(消費税10%に相当)が必要になります。日本はもはや豊かな国家ではなくなったのかもしれません

海外で活躍する人々
日本人は国際化の時代になっても、相変わらず日本に引きこもったままです。海外で活躍する日本人は日本人が思うほど多くはありません。中国の華僑は本国以外に約6000万人という海外で活躍する人々がおり、インドの印僑は約3000万人です。韓国でさえ約500万人の海外で活躍する人々がいますが、日本は約250万人程度です。日本は世界第二位の経済大国ではありますが、海外で活躍する世界的な国際民族であるかと言えば、日本は決して国際化した国家でも民族でもありません。

私は世界の主要国の10ヵ所に、毎年1兆円づつ総額10兆円の10年間継続する100兆円のジャパン・シティ計画を日本に資金がある間に実現できればと考えています。政府官僚の天下りのための補助金が毎年約5兆5000億円、日本の防衛費が毎年約5兆円あれば、国家防衛という観点からも毎年10兆円の投資はそんなに難しいことではありません。中国、マレーシア、インド、米国、フランス、英国、ドイツ、イタリア、ロシア、南アフリカの10カ国に、日本人が居住し、ビジネスや国際交流の中心となる各ジャパン・シティがそれぞれ10万人規模の100万人の日本人が海外活動の拠点とできる海外教育・海外ビジネス・政府外交・国際交流の総合拠点の構築は、日本から投資される毎年1兆円の都市整備資金で、周辺ビジネスも拡大し、最終的には各都市が20万人の10ヵ所で200万人の日本人海外ネットワークが構築されます。現地語を流暢に話す各国に数万人単位のバイリンガルな日本人がジャパン・シティを中心に新たな日本人の国際貢献も考えるでしょう。日本には現在資金と技術力がまだありますから、日本の資源が豊かである時代に次の時代の投資をしておく余力は十分にあるのです。現地の人々と結婚する日本人も多くなり、30年足らずでジャパン・シティは10倍の200万人の10ヵ所で2000万人という規模まで拡大するでしょう。そして、この海外2000万人の海外ネットワークが新たな日本の人材を供給する重要な拠点となっていくでしょう。外国語で満足に議論できない政治家や専門家たちはまず淘汰され、高度な専門性と高度な語学力の国際性豊かな日本人の時代が来るのです。

嘘を教える教育
日本では個人がどれだけ学ばなくても、日本人であることが優秀な証拠であり、日本民族はアジアに対してだけでなく世界に対しても優秀であると教えます。世界から評価されて世界中の注目を集めているかのようにも教えられます。日本という社会は世界に誇る安全で安心な社会で世界中の憧れであるようにも教えられます。しかし、すべての事柄が嘘です。子供たちは大人たちの幻想を真実と教えられて育ちます。個人の優秀さはあっても、民族の優秀さなどありえないと我々は子供に教えるべきです。日本は引きこもった中で生きていることも認識しなければなりません。我々は世界中から注目もされず尊敬されなくとも国民の幸せを実現する国家になればいいのであって、国民の不幸を置き去りにして、世界に認められようと税金を使う愚かさだけは止めなければなりません。見栄を張る日本人と日本政府など必要ではなく、我々の生活する日本という国家がまず国民に幸せな国家となることが日本人の最大の目標です。他国を非難したり、他国の紛争に参加したりしている時間も資金も日本にはないのですから、日本人はまず日本人の幸福の実現のための政府と政治体制を勝ち取る必要があるかもしれません。そのためにも、現在も続いている日本社会の幻想の教育はそろそろ止めましょう。

日本の子供たちの現実
厚生労働省の調査によれば、高校の性交渉の経験者は男子高生が全体の31.1%、女子高生は43.6%で、クラミジアに感染していたのは男子が6.7%、女子が13.1%で、全体では10.6%に達しました。16歳の女子高生が17.3%で最も高く、16歳女子高生の性体験者の6人に1人が性感染症に感染しており、欧米の女子高生の感染率の1〜4%をはるかに超える結果になりました。女子高校生は平均が13.1%で、高校一年生の女子が17.3%で、高校一年女子が高校女子平均よりも4.2%も高い感染率ということは、数年で高校女子の性感染症率は20%に近くなる可能性まで出てきました。性体験のある高校女子の5人に1人が性感染症者ということが現実になりつつあります。当然に、日本の大学生の調査をすれば、性体験者の20%を超える恐ろしい率の性感染者が発見されるでしょう。自覚症状もなしに感染者を増やし続ける性感染症が高校や大学に蔓延して、日本の国民の5人に1人の20%が、放置すれば将来妊娠できない可能性のある性感染症の感染者という時代の到来はそう遠くないはずです。

また、この調査結果で恐ろしいのは、現在の高校1年女子の性交渉体験者の17.3%が性感染症の感染者とすれば、現在の中学生の中でも中学3年生は、2004年で18%を超えた性体験者の中に、最低でも10%ほどの性感染症の感染者がいる可能性があるということです。中学生の性体験者のすでに10人に1人が性感染症に感染している可能性は、全国の中学生3年女子約20万人の中にすでに約4万人の性体験者がいて、約4000人が性感染症に感染しているということで、私が考えても恐ろしい事態です。
2002年の東京都の調査によれば、高校生男子の性交渉相手は、小学生が4.9%、中学生が30.5%、高校生が54.2%で、小学生や中学生の性体験者はすでに我々が考える以上に増加しています。
さらに、神奈川県の高校生の調査では、高校生の5%(20人に1人)がマリファナや覚せい剤の経験者で、我々大人は、勉強を放棄して性や薬物に依存する子供たちを拘置してお金ほしさに違法行為まで行う子供たちを見捨てて、すでに多くの子供世代を性や薬物や犯罪で失っています。

そして、千葉県教育委員会が県立高生約10万人を対象に実施したアンケートで、回答者の4・7%の4315人が「教師からセクハラ(性的嫌がらせ)を受けた」と感じ、うち191人が成績や進路を「人質」に性的接触や性的関係などを求められたと回答していたことが分かりました。調査は県立高の全生徒を対象に実施し、9万878人が回答しました。2004年度中に「職員からセクハラ被害を受けた」と答えた生徒は4315人で、内容は複数回答で「必要もないのに体を触られた」が最多で1281人で、「みんなの前で容姿を話題にされた」(923人)、「性的な話を聞かされた」(797人)といった結果でした。

問題なのは、学校教師に成績や進路を「人質」に性的接触や性的関係などを求められたと回答していた生徒が191人もいたことです。全国の高校生は約372万人ですから、毎年全国で7000人以上の生徒が先生から成績や進路を「人質」に性的接触や性的関係を要求されていることになります。生徒の脅威はいまや教師にまで広がっています。教師という立場を利用した悪質な職権乱用で、「強姦未遂」や「脅迫」などの犯罪行為でもありますが、千葉県教育委員会は、匿名の調査なのでさらに調査して性的な関係を強要するような教師の摘発や警察に対する捜査依頼はしないという結論です。つまりは、調査したが犯罪教師を放置するということです。警察も教育委員会の依頼がないために動くことはないという結論です。大人社会の身勝手に子供たちは犠牲となり、生徒だけが苦しむ立場で放置されたままなのです。 

格差社会の認識
日本の所得格差と能力格差が問題になっています。しかし、所得格差や能力格差が問題ではなく、実は格差の内容が問題であることには議論が発展しません。個人や家族の所得格差や能力格差はあって当然ですし、大きな格差があっても問題ではありません。問題ある格差とは下位の所得が減少していく格差拡大であったり、下位の能力が低下する格差であって、格差それ自体が問題ではありません。上位の所得が10年で10倍になったが、下位の所得は2倍でしかないという所得格差は全体の所得が増加するということでは大きな問題ではありません。上位の所得は3倍になったが、下位の所得が20%減少したという格差が問題なのです。すべての人々が豊かになるのではなく、一部の人々が豊かになり、多くの人々が貧しくなる格差が問題ある格差なのです。同様に、能力の格差も上位の人々は3ヶ国語を話すが、下位の人々は2ヶ国語しか話せないというのは、同じ格差でも上位の人々は3ヶ国語で下位の人々は母国語さえ満足に話せないという下位能力の低下による能力格差とは大きく違います。

1990年の中国のGDPは、約1兆7400億元(約25兆3518億円)でしたが、2005年の中国のGDPは約18兆2000億元(約265兆1740億円)と10倍以上の成長を達成しました。日本が失われた15年などと言って、ほとんど経済成長しなかった間に、中国は経済規模を10倍にしてきました。つまり、日本人の多くが所得を減少させた過去15年で、中国人の所得は10倍になったのです。すべての国民が豊かになるが所得の増加が都市と農村で違うという経済発展は日本も過去に経験しています。すべての国民の所得が増加する中国の所得格差と多くの国民が所得を減少させて貧しくなって行く日本の所得格差とは大きな違いがあるのです。

日本には優秀な人間に対しては世界を目指すような授業料無料や多額の奨学金のエリート教育がありません。落ちこぼれた人間を救い上げる教育もありません。優秀な人間は飛び級をして中学から大学への入学という事もありません。ごく一部のスポーツ選手の活躍もありますが、それも家庭の経済力がなければ世界を目指すことなど到底できない国家が日本です。中学3年から大学1年に飛び級できる人材は日本には数万人単位でいるはずですが、退屈に3年間の高校生活や4年間の大学生活を送ります。飛び級できれば、高校の3年と大学の4年と大学院の5年を合計した12年を、最短5年で学べる学生は日本人の中に数万人単位で存在します。21歳で博士号を持つ人材が毎年数万人生まれるだけの人材力がある日本ですが、優秀な人材は現在でも12年間の退屈な時間を過ごして博士号まで最短でも27歳です。優秀な人間の成長を抑えて、落ちこぼれた人間は放置してしまう日本の教育は、アジアの国家レベルの徹底したエリート教育と国民教育の再構築をした高度な国民全体教育の仕組みにどう対抗していくのでしょうか。教育で失敗した国家は国民知性としての敗退を覚悟しなければなりません。日本の大学で日本語能力が中学生レベルと判定される大学生が25%もいる日本人の「日本人は優秀だ。」という理由なきプライドはそろそろ捨てるべきかもしれません。

21世紀には日本消滅?
中国の政府高官が公式の場で、日本について「日本は21世紀にはなくなる国」という発言をうかつにもしてしまいました。日本の優秀な官僚の人口統計は上位統計と中位統計と下位統計があり、上位統計と中位統計は外れまくりますが、下位統計だけは正確です。その正確な下位統計で日本の21世紀末の人口は約4700万人で、現在の約1億2700万人から大きく減少します。日本は米国の言いなりですが、現在の日本が米国の州となる決断をすれば、米国は決して承諾しません。米国の人口が約3億人で75%が白人で、白人約2億2000万人と約8000万人の白人でない人々が民主党と共和党という政党に分かれて大統領を競っています。それぞれ白人約1億1000万人の支持母体の民主党と共和党ですが、白人以外の約8000万人の人々と協力して約1億2700万人の日本州が合計2億700万人の勢力で米国政治への参加すれば、米国大統領を日本州から出すか、民主党や共和党の副大統領をかならず日本州から出すか、という選択を迫られ、米国政府や白人社会は母屋を取られるような日本州など決して容認できないでしょう。しかし、21世紀末に米国の人口は5億人を超え、日本州の人口が約4700万人であれば、日本州が米国に参加しても大統領を脅かす勢力にはなりません。アジアの中国が日本の米国合併を承認すればアジアでは反対する国家はひとつもありません。もし、米国と中国との密約があれば、日本は21世紀にはアメリカ合衆国日本州として歴史上から消滅しているかもしれません。孫の時代のことだから我々には関係ないことだと言う日本人も、死んでしまっている未来の日本のことなどどうしようもないと言う日本人もいるでしょう。でも、もう関係ない関係できないどうしようもないことだと、日本消滅の可能性を放置していていいのでしょうか。国家消滅を運命として受け入れるしかできない国民に日本人はなってしまったのでしょうか。あたかも米国との密約があるかのような中国政府高官の「21世紀にはなくなる国」という発言が私には現実として突き刺さります。21世紀末に、20億人を超える中国と1億人を超える朝鮮半島と4700万人の日本という未来の可能性を予測して、日本の21世紀の独立は、実は中国と日本の関係が大きく影響してくる現実を日本人は直視しなければなりません。米国の日本併合は、中国の承認なしには決して実現しません。中国は21世紀の日本の独立を保つ重要な保険になるかも知れないのです。

歴史に学ぶ
世界史の中でも珍しい国家がアジアにはあります。中国やモンゴルにも侵略されず、フランスやイギリスの侵略も受けず、アジアの歴史の中で唯一独立を維持してきた国家があります。国民の多くが仏教徒で男子は生きている間に一度は必ず仏門に入り、禁欲と仏教の教えを学びます。タイはアジアで唯一の独立国家として存続し続けてきました。人類社会に完璧な国家制度も政治体制もありません。我々日本人が信仰する民主主義が唯一の政治体制でも完璧な政治体制でもありません。王政や帝政や民主主義は、優れた統治を行える可能性としての違いであって、民主主義が必ず優れているという根拠はありません。民主主義は自らの制度と精神をおとしめる衆愚政治へと変化する可能性を持っており、制度の内部に腐敗という国家崩壊の種を潜ませています。王政や帝政も優れた君主や皇帝であれば中央集権の国家体制は民主主義以上の成功の可能性がありますが、愚かな君主や皇帝の出現が制度の腐敗となって、民主主義と同様に国家崩壊の可能性を持っています。優れた君主の統治に民主主義の統治が必ず勝っているなどとは、誰も考えませんし、幻想に過ぎません。我々日本人がどんなに優れた国家制度を構築しても、人類の歴史と他国から学ぶ教訓はなくならないでしょう。日本人は歴史からも他国からも学ぶことのない人類最高の民族などと身勝手な独善に日本人が走れば、日本は再びアジアに対して、日本人の優秀さを証明するために戦いを挑むことになるでしょう。アジアに対する一度の過ちは幸福にも許されて、日本は独立を復活して存在しています。もし、もう一度アジアに対して日本が過ちを犯す時には、日本は確実に滅亡します。国家の滅亡ばかりでなく、民族の滅亡という最悪の結果になるかもしれません。人類の歴史の中で学べる事は、ひとつの国家や民族が永遠に繁栄するということができないという事実です。繁栄した国家や民族は必ず衰退し、民族の統治を間違えれば民族自体が滅亡し、人類の歴史から消え去るということです。経済力でも軍事力でもなく、世界に見栄を張る必要もなく、民族の繁栄を維持していく方法をそろそろ日本人は学ぶべき時期に来ています。他国を非難し、他国と比較し、他国より優れていることを目指す日本など、21世紀には小国となって維持できません。日本人は何かに勝っていなければ、他国と競争して勝っていなければ自信を持てないなら、21世紀は確実に日本人の自信喪失の時代となるでしょう。自分の道を歩むのではなく、他人との競争でしか道を見出せない日本人との決別ができないならば、日本人は21世紀に自滅するか、意味のない自尊心のために再び戦いを始めるでしょう。日本人が意味のないプライドを捨て、人類の歴史に学び、多くの教訓を他国から学ぶ謙虚な日本人になることが、結果として日本の未来を救います。

関連資料:「臥龍通信」
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」
臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」
臥龍通信第108号「中国から見た日本」
臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のイネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」
臥龍通信第93号 北朝鮮問題
臥龍通信第60号 日韓の近代・現代史
臥龍通信第59号 国連問題と日本の外交
臥龍通信第50号 朝鮮半島の中国と米国の関係
臥龍通信第43号 日本の安全保障

発行日 発行No タイトル
2005.04.18 第106号  最近の中国対立
2005.04.18 第105号  明治の成功と失敗
2005.04.18 第104号  報道の意図と文脈
2005.03.22 第103号  ライブドア騒動の深層
2005.03.15 第102号  日本の時代遅れの国際感覚
2005.03.05 第101号  日本のブランド戦略とデザイン戦略
2005.03.05 第100号  中国の知的財産権問題と日本の歴史問題
2005.02.22 2月号外  頑張れホリエモン
2005.02.20 第99号  21世紀の知的財産権戦略
2005.02.20 第98号  日本の対中貿易
2005.02.10 第97号  不動産ファンド
2005.02.10 第96号  中国のエネルギー戦略
2005.01.20 第95号  クルド人を救え
2004.12.30 第94号  日本の教育
2004.12.30 第93号  北朝鮮問題
2004.11.30 第92号  崩壊する日本
2004.11.30 第91号  日本の国家経営者
2004.11.10 第90号  韓国技術エリートの台頭
2004.11.10 第89号  21世紀構想研究会記念フォーラムのご案内
2004.10.15 第88号  観光立国(ビジット・ジャパン)
2004.09.05 第87号  IMDと社内大学
2004.09.05 第86号  実力主義の「人間管理」と「能力管理」
2004.08.11 第85号  日本の戦後問題 
2004.08.11 第84号  2007年問題 
2004.07.23 第83号  企業経営と国家経営 
2004.07.23 第82号  未公開株の取引 
2004.07.02 号外  スウェーデン・プロジェクト
2004.07.01 第81号  日本の政治の大改革 
2004.06.21 第80号  日本の21世紀の課題 
2004.05.25 第79号  美しい日本の国土再生
2004.05.10 第78号  激動する世界情勢
2004.05.10 第77号  現代日本の問題点
2004.04.25 第76号  企業経営とITと知的財産権 
2004.04.25 第75号  「韓流」の映画とドラマ 
2004.04.08 第74号  日本のIT産業の実力
2004.04.08 第73号  「科学技術」と「職人技能」
2004.03.29 第72号  「攻殻機動隊」と「イノセンス」
2004.03.12 第71号  日本近代史の分岐点
2004.02.22 第70号  21世紀の大学改革
2004.02.22 第69号  行動する日本人の時代
2004.02.12 第68号  21世紀の日本人と日本社会 
2004.01.27 第67号  国家経営力統計
2004.01.10 第66号  年金問題の本質
2003.12.02 第65号  日本マンガの実力
2003.12.02 第64号  日本の政治
2003.10.17 第63号  企業就労と健康と個人の幸福 
2003.10.17 第62号  知的財産権政策後退の阻止 
2003.09.26 第61号  地域主義の新たな潮流
2003.08.20 第60号  日韓の近代・現在史
2003.08.20 第59号  国連問題と日本外交
2003.07.10 第58号  国家経営力(2) 
2003.07.10 第57号  国家経営力(1) 
2003.06.25 第56号  特許戦略よりも知性戦略
2003.06.07 第55号  『日本の知性は死んだのか?』 
2003.06.07 第54号  経営力の時代(3) 
2003.06.07 第53号  経営力の時代(2) 
2003.06.07 第52号  経営力の時代(1) 
2003.04.25 第50号  朝鮮半島の中国と米国の関係  
2003.04.25 第49号  日本のITの基礎知識(5)  
2003.04.25 第48号  日本のITの基礎知識(4)  
2003.04.25 第47号  日本のITの基礎知識(3)  
2003.04.25 第46号  日本のITの基礎知識(2)  
2003.04.25 第45号  日本のITの基礎知識(1)  
2003.03.10 第44号  日本の産業競争力
2003.03.10 第43号  日本の安全保障
2003.03.10 第42号  日本の知性創造サイクルの変革

中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋  隆


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