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臥龍通信

臥 龍 通 信 第113号 <2005.07.01発行>
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  ◆ 臥 龍 通 信 第 113号 ◆
    日本の右傾化

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 ◆ 臥 龍 通 信 第113号 ◆
    日本の右傾化

日本の右傾化

日本の国民に急速に右傾化傾向が現れています。盲目的なナショナリズムが台頭し、アジアの経済復興による日本の影響力低下に、国内問題を解決できない国民の焦りが海外に向かっています。日本の国家経営に限界が見え、国内問題を迅速に解決できない国家経営者の政治家や官僚組織が、国内問題解決の停滞を外交問題で誤魔化そうとの思惑も見えてきます。最近は私のサイトに対する「中国の犬」、「中国のスパイ」、「韓国の犬」、「売国奴」などの過激な意見も届くようになり、政治家がテレビ放送で「日本の太平洋戦争は侵略戦争であり、侵略戦争の戦争責任は日本にある。」と言うだけで、「太平洋戦争は侵略戦争ではなかった。」、「日本に戦争責任など存在しない。」という国民からの抗議がテレビ局や政治家事務所に殺到します。日本のインターネットサイトの右傾化も過激で、19万人以上の戦死者(負傷者はその数倍)を出した日中戦争で、「中国に対する侵略などはなく、占領であって侵略戦争など存在しないし、戦争責任もない。」、「戦争責任は連合軍に作られた責任であって、戦争責任など日本には存在しない。」、といったサイトに多くの賛同者が群がっています。日本のインターネットサイトは自由な国家ですから過激になるばかりですが、過激に右傾化する日本のサイトを海外からも翻訳サイトを利用して容易に海外から見ることができます。日本の過激な右傾化を海外の国家機関は冷静に分析しています。「日本は米国に敗北したが、中国に敗北したわけではなく、台湾や韓国やアジアの多くの国々を占領したが侵略ではないし、アジア国家と戦争してもいないのにアジア国家に戦争責任など存在しない。」、「文句があれば、もう一度韓国や中国に出兵して日本の力を見せてやる必要がある。」、「戦争責任もないのに、戦後賠償を十分に行ってきたからもう戦争責任や戦後賠償など中国や韓国に問題にさせるな。」など、過激な意見はエスカレートするばかりです。竹島や尖閣諸島や東シナ海の問題で、戦争責任と戦後賠償と領土問題が「靖国問題」を象徴として過激な対立の構図ができつつあります。「朝鮮半島は中国の属国で独立国ではなかったが、日本が中国の属国の立場から解放した。」、「日本は朝鮮半島を中国から開放し、独立国として併合条約で日本に併合したので、韓国に日本の戦争責任など存在しない。」など、朝鮮半島には歴史的に独立国は存在しなかったとする意見まで出てきて、もはや過激と言うよりは狂っているような意見がまかり通っています。

1945年に、日本は連合国に無条件降伏をします。国家としては例のない無条件降伏の意味が日本人には理解されていませんが、どんな過酷な日本処理が連合国によって実施されても、日本は無条件に受け入れるという無条件降伏で、もし米国が日本を占領して、日本語の使用を禁止し、天皇を退位させ神道を否定し、日本国民をすべてプロテスタントに強制的に改宗させて、日本から神道や仏教の伝統を消し去り、米国大統領に忠誠を誓わせ、日本語の抹殺を命令しても日本は拒否できない立場にありました。日本国民の宗教観と言語の抹殺が日本で行われていれば、日本人は存在しても日本の伝統と日本語を失った、英語を話すキリスト教徒の日本人に過ぎなくなっていたでしょう。まさに、日本民族の文化的抹殺です。そして、日本は同じことを朝鮮半島で実際に行い失敗しました。朝鮮民族の日本に対する恨みは民族的抹殺を強要され、民族の信仰と言語と文化を失いかけた民族の恨みなのです。ユダヤ教徒からヘブライ語とユダヤ教を取り上げれば、ユダヤ教徒は文化的に消滅します。中東でイスラム教と固有の言語を中東の民族から取り上げれば、中東の民族が文化的に消滅します。日本は朝鮮半島で深く考えもせず、韓民族の文化的民族消滅の実験を行ってしまったのです。朝鮮半島で歴史的に最も過酷な民族の文化的抹殺という愚行を犯してしまった日本は、歴史的にも韓民族の文化的抹殺者という韓民族史に永久に残る国家として日本は刻印されてしまいました。日本が日本の歴史を十分に考えれば、韓民族の文化的抹殺などありえないことでしたが、「近代化と世界の大国」という誘惑に、日本国民全体は歴史的に取り返しのつかない愚行を行ってしまいました。

私は、九州の出身で一族には、三浦、平など多くの桓武平家の子孫がいます。桓武天皇の生母は高野朝臣新笠(たかののあそみにいがさ)で、父の和乙継は百済系の渡来人で、姓(かばね)は和史(やまとのふびと)で、後に高野朝臣と改姓しました。和氏は百済皇太子の武寧王から出た百済王族です。京都市の延喜式名神大社平野神社は高野新笠と縁の深い神社で、平野神社の祭神は今木神、久度神、古開神、比盗_の四座で、平安京遷都によって京都に遷座しました。今木神の今木は今来のことで、百済系渡来人を意味します。日本の古代の歴史には多くの渡来人が登場しますが、桓武天皇の母も百済人でした。日本の天皇家と神社に朝鮮系の帰化人が密接に関わっている歴史は、日本の教育では教えられません。日本の中部地方や関東地方に数千人単位の朝鮮系亡命者が何度も日本に渡来して移住し、開拓したことなども日本の教育では教えられません。明治以降に朝鮮系の地名を意図的になくすことが進められたことも教えられません。東京には多くの朝鮮系の地名がありましたがすべて明治以降に書き換えられました。東京の駒沢は、明治以前は高麗沢でした。

日本の歴史教育で無視されているのは、遣唐使で大活躍した朝鮮系渡来人の東漢氏など、天皇家と神道に深く関係している朝鮮系民族の記述であり、明治以降の特に第二次世界大戦を前後とする記述が、まったく抜け落ちています。遺伝子工学で日本人に最も近い遺伝子の民族は韓民族である事実からも、日本人の伝統に深く関与した朝鮮系の民族の認識は、日本人にとって必要不可欠な歴史認識です。日本の神道の神々の序列で最高位に、韓神や園神が祭られているとしても、日本の天皇家や神道の独自性はゆらぎません。天皇家や多くの豪族が朝鮮系民族と深い血縁関係があり、朝鮮系民族が日本の歴史に多大な貢献と多くの子孫を残したことが、日本民族の伝統と文化の独自性を否定することにはなりません。事実は事実と認識するだけです。そして、優秀な民族も劣る民族も地球上には存在しないと知るべきです。21世紀に存在するのは、民族全体の優秀性ではなく、3ヶ国語や4ヶ国語を流暢に話し、自国の価値観にとらわれることなく他国の多元的な価値観を理解し、高度な専門性を身につけた国際的に活躍できる個人の能力としての優秀性だけです。日本にどんなに優秀な科学者やスポーツ選手がいても、日本人全体が優秀だと言うことにはなりません。

日本人は日本を表現するときに世界第二位の経済大国だと言います。日本が世界第二位の経済大国であるために国民は存在するのでしょうか。日本が世界第二位の経済大国であるために、国民は過酷な税金と長時間の労働に耐え、子育てする時間もなく働くのでしょうか。日本国民の役割は、日本が世界第二位の経済大国であるための犠牲なのでしょうか。日本国民は自分の生活を犠牲にして、子育てを断念してまで、世界第二位の経済大国のために働くのでしょうか。日本という国家の威信のために国民を犠牲にすることが、国民の望むことなのでしょうか。日本の国連常任理事国が日本のODAと国連拠出金の増加となり、毎年国民1人に数万円の新たな負担をさせて、日本国民にどんな利益が具体的にあるのでしょうか。国家経営の失敗で国家の膨大な借金は、大増税で国民が国家経営の責任を取らされます。さらに、消費税の20%という負担が国民を待っています。普通の国家であれば、過去15年で所得は2倍になっていたはずですが、日本は所得を減らしてしまいました。明らかに国家経営の失敗ですが、失敗の責任は選挙にも行かない国民が支払います。世界第二位の経済大国日本は世界第二位の国民幸福国家ではなく、日本国民の生活実態はきわめて悲惨です。

竹島問題や尖閣諸島問題で、日本のナショナリズムも過激になっていますが、日本政府がどれだけ解決しようという努力をしているのか、とても疑問です。30年以上も領土問題を解決できなかった政府も無能ですが、日本が大国であるなら大国らしい解決策を提示するべきですが、現実には放置されているだけです。

韓国と対立する竹島問題ですが、解決しようという大国日本の意志があれば解決方法はいくらでもあると思います。

1、竹島は日韓の平和共同統治領として、竹島に日韓の平和観光記念施設を建設する。
2、平和観光記念施設は、日韓両国で資金を拠出する。
3、平和観光記念施設の運営は、日韓で有名なロッテに運営委託する。
4、平和観光記念施設の利益は、日韓で折半して日韓交流基金として使う。
5、周辺海域は日韓平和韓国記念施設のための漁業以外は両国とも漁業・開発を禁止する。
6、平和観光記念施設はホテルを中心に、免税・カジノも自由なビザなし地域とする。
7、日韓の平和の象徴としての竹島の自然を温存し、海外にも広く日韓が宣伝して、海外からも観光客を呼ぶ。

以上の条件で、具体的に政府間で交渉すれば、意外と解決できるかもしれません。
尖閣諸島も中国と台湾と日本で、竹島と同様に平和共同統治領として、平和観光記念施設を建設して、利益は交流基金とし、運営は香港財閥に委託すれば、話は簡単です。

東シナ海ガス田も、日本が主張する地域と中国が主張する地域の対立が30年以上も解決していません。東シナ海の日中対立は、この地域が台湾・中国・韓国・日本・米国の重要な貿易輸送路であることから、東シナ海の紛争は単純な日中対立ではなく、大きな国際問題となります。東シナ海のガス田問題は、問題になっている地域を共同開発地域として、どうせ日本側に海が深くパイプラインを引くこともできないのだから、日本側が船で輸送を考えてもコスト的に合わないことを考えれば、中国にガス田のガスを売るのが基本です。

1、日中中間線と沖縄トラフまでの地域は平和共同開発地域として、この地域の開発事故や貿易輸送路事故を想定した日中共同の開発・救助施設を建設する。
2、共同開発地域のガス田資源は日中共同の資金で開発し、中国が全資源を買い上げ、その利益は折半して両国が日中交流基金として使う。

日本の国民生活は悲惨ですが、日本が大国と言うのであれば、中国や韓国や台湾に余裕ある対応を望みます。日本が中国や韓国や台湾に大国と言うのであれば、日本人が英語や韓国語や中国語などが流暢に話せる日本国民4ヶ国語の語学教育が全国民に実施され、中国や韓国や台湾や香港に行っても、日本の観光客がすべて現地語で議論ができるくらいの語学力教育を望みたいです。日本国民の語学能力に韓国も中国も台湾も驚き、さすがは大国日本の国民だと言われるくらいの能力を国民すべてが持ちたいものです。語学力があれば国民の得る情報の量と質が違ってきます。日本人の語学力が中国や韓国や台湾との交流の量と質をも変えてしまうでしょう。中国語や韓国語を知らなくても中国や韓国を知ることはできると言いますが、日本語に翻訳されたものは翻訳者の意図が入っています。また、中国や韓国の資料がすべて翻訳されているわけでもありません。日本語の資料だけで見える中国や韓国はごく一部なのです。語学力は人間の視野を飛躍的に広げます。私は韓国語ができない韓国専門家も、中国語ができない中国専門家も専門家として認めません。語学ができない専門家などありえません。21世紀の大国は経済力でも軍事力でもありません。国民一人ひとりが高度な能力によって証明していく知性の大国こそが、21世紀の大国であり、大国の国民です。夏休みも近くなりましたが、今年も多くの日本国民が海外旅行に行きます。お金は持っているが、語学力もなく観光に行く国を世界地図で確認もできない国民では、21世紀に大国の国民として尊敬されることは決してないでしょう。大国にふさわしい能力の国民になると、日本国民の一人ひとりが自覚して努力する日本がなければ、日本の地盤沈下は経済ばかりでなく、知性でもアジアに後れを取ることになるでしょう。日本人の優秀性は自分の能力と努力で証明していく覚悟が日本人には必要です。右傾化する日本国民ですが、対立を激化させる暇があれば、中国人や韓国人を驚かし、驚愕させるだけの語学力と知性を身につけましょう。人間が暴力以外に人間を圧倒できる手段は卓越した個人の能力と知性なのですから、日本が21世紀に目指すものは経済力でもなく、軍事力でもない、卓越した語学力と専門性のある日本国民の知性力であって欲しいと思います。

参考文献:
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」
臥龍通信第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第108号「中国から見た日本」
臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」

発行日 発行No タイトル
2005.06.17 第112号  日本の戦後と靖国問題A
2005.06.17 第111号  日本の戦後と靖国問題@
2005.06.02 第110号  狂気の日本
2005.06.02 第109号  東シナ海ガス田問題
2005.05.23 第108号  中国から見た日本
2005.05.13 第107号  日本の国際競争力(IMD2005)
2005.04.18 第106号  最近の中国対立
2005.04.18 第105号  明治の成功と失敗
2005.04.18 第104号  報道の意図と文脈
2005.03.22 第103号  ライブドア騒動の深層
2005.03.15 第102号  日本の時代遅れの国際感覚
2005.03.05 第101号  日本のブランド戦略とデザイン戦略
2005.03.05 第100号  中国の知的財産権問題と日本の歴史問題
2005.02.22 2月号外  頑張れホリエモン
2005.02.20 第99号  21世紀の知的財産権戦略
2005.02.20 第98号  日本の対中貿易
2005.02.10 第97号  不動産ファンド
2005.02.10 第96号  中国のエネルギー戦略
2005.01.20 第95号  クルド人を救え
2004.12.30 第94号  日本の教育
2004.12.30 第93号  北朝鮮問題
2004.11.30 第92号  崩壊する日本
2004.11.30 第91号  日本の国家経営者
2004.11.10 第90号  韓国技術エリートの台頭
2004.11.10 第89号  21世紀構想研究会記念フォーラムのご案内
2004.10.15 第88号  観光立国(ビジット・ジャパン)
2004.09.05 第87号  IMDと社内大学
2004.09.05 第86号  実力主義の「人間管理」と「能力管理」
2004.08.11 第85号  日本の戦後問題 
2004.08.11 第84号  2007年問題 
2004.07.23 第83号  企業経営と国家経営 
2004.07.23 第82号  未公開株の取引 
2004.07.02 号外  スウェーデン・プロジェクト
2004.07.01 第81号  日本の政治の大改革 
2004.06.21 第80号  日本の21世紀の課題 
2004.05.25 第79号  美しい日本の国土再生
2004.05.10 第78号  激動する世界情勢
2004.05.10 第77号  現代日本の問題点
2004.04.25 第76号  企業経営とITと知的財産権 
2004.04.25 第75号  「韓流」の映画とドラマ 
2004.04.08 第74号  日本のIT産業の実力
2004.04.08 第73号  「科学技術」と「職人技能」
2004.03.29 第72号  「攻殻機動隊」と「イノセンス」
2004.03.12 第71号  日本近代史の分岐点
2004.02.22 第70号  21世紀の大学改革
2004.02.22 第69号  行動する日本人の時代
2004.02.12 第68号  21世紀の日本人と日本社会 
2004.01.27 第67号  国家経営力統計
2004.01.10 第66号  年金問題の本質
2003.12.02 第65号  日本マンガの実力
2003.12.02 第64号  日本の政治
2003.10.17 第63号  企業就労と健康と個人の幸福 
2003.10.17 第62号  知的財産権政策後退の阻止 
2003.09.26 第61号  地域主義の新たな潮流
2003.08.20 第60号  日韓の近代・現在史
2003.08.20 第59号  国連問題と日本外交
2003.07.10 第58号  国家経営力(2) 
2003.07.10 第57号  国家経営力(1) 
2003.06.25 第56号  特許戦略よりも知性戦略
2003.06.07 第55号  『日本の知性は死んだのか?』 
2003.06.07 第54号  経営力の時代(3) 
2003.06.07 第53号  経営力の時代(2) 
2003.06.07 第52号  経営力の時代(1) 
2003.04.25 第50号  朝鮮半島の中国と米国の関係  
2003.04.25 第49号  日本のITの基礎知識(5)  
2003.04.25 第48号  日本のITの基礎知識(4)  
2003.04.25 第47号  日本のITの基礎知識(3)  
2003.04.25 第46号  日本のITの基礎知識(2)  
2003.04.25 第45号  日本のITの基礎知識(1)  
2003.03.10 第44号  日本の産業競争力
2003.03.10 第43号  日本の安全保障
2003.03.10 第42号  日本の知性創造サイクルの変革

中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋  隆


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