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メールマガジン臥龍通信バックナンバー2001


臥 龍 通 信 第 7 号 <2001.07.10発行>
》》》》》》》》 中嶋経営科学研究所 《《《《《《《《

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こんにちは、中嶋経営科学研究所から「臥龍通信第7号」をお届け致します。 猛暑の毎日ですが、お元気にお過ごしでしょうか?関東はずっと晴天かつこの真夏日で、まだ梅雨は明けていないということを忘れてしまいそうです。 くれぐれもご自愛のほどを!

 ■ INDEX ■

  ■ 臥 龍 通 信 第7号 ■― 知的財産経営への道
  
  ■ Nakajima-MSI INFORMATION ■― 臥龍通信入退会のご案内

 ■ 臥 龍 通 信 第7号 ■―知的財産経営への道

私、中嶋はこれまでコンピュータ業界に20年以上勤めてきました。メインフレームの大型コンピュータしかない時代にアセンブラーやコボルの プログラミングから始まり、CやC++やJavaのオブジェクト・コンポーネントの 時代まで、業界を見てきました。現在、「IT業界」と呼ばれている業界は、 経営コンセプトを前面に出したコンピュータ・ソリューションを実現するパッケ ージ・システムを販売する業界へと変貌しました。

簡単に言えば、企業経営の新しいコンセプトや経営手法のコンサルティング とその経営コンセプトを実現する具体的な道具であるパッケージ・システムの セット・ソリューションが1995年以降主流となりました。強力な経営理論に 武装された経営コンセプトをもたない日本のIT業界は、システムの構築と 販売ばかりしてきました。そんな日本に対して、欧米IT企業は、企業がなぜ システムを必要とするかを、経営学理論とコンセプトで説明し、そのコンセプト を実現する具体的なパッケージ・システムを提案するという、新しいシステム 提案の手法を日本企業に教えました。企業に“なぜシステムが必要か”という 説明と理解に、経営学の高度な理論と手法が利用されました。そして、理論 と手法の実現にはパッケージ・システムがあると、これまでのシステムだけの販売ではできない高度なレベルの提案を企業に提供し始めました。

日本のIT業界には、MBAレベルのコンサルタントが数万人いるわけではないので、経営学理論もよく知らない“似非ITコンサルタント”が業界に溢れました。 ソフトウェア工学を学ばないMBAや経営学を知らないエンジニアが“ITコンサル タント”を名のる事になりました。欧米が生み出した経営理論や経営コンセプト に対する十分な理解もなく、理解不可能なパッケージ・システムを販売する 体制が多くの失敗を生み出しました。

ERPやSCMに始まりCRMやKMなど、どれだけのコンサルタントが理解しているのか不安になります。SAPの基本理論「イベント・ドリブン・プロセス・ チェーン」というシェアー博士の本や、「CMM」のハンフリー博士の本が1000冊 も売れなかったり、1984年のSCMの「ザ・ゴール」が今ごろベストセラーになる 日本ですから、日本のITレベルは世界から15年は遅れています。

日本の大学のレベルが急激に下がり始めた1990年代に、はっきり言って 日本人は学ばずに遊んできました。世界が豊かさを求めて走り始めた時代に、 日本人は豊かになった日本において“豊かさの消費”を始めました。大人も 子供もすべての日本人が、傲慢にも日本の豊かさは永遠に続くと誤解し、 豊かさの消費に明け暮れました。バブル崩壊後も、“豊かな日本”の幻想を 捨てられず、いまだ日本は低迷する危機的状況から抜け出せてはいません。

日本人が遊んでいる間に、世界は必死に頑張り、高度な知性の人材開発に 努力しました。日本人の得意な“高度で安い賃金の国民”は、21世紀になって みれば、世界で高度でもなく最も高い賃金の“使い物にならない”国民に変化 していました。アルバイトでさえ6ドルから10ドルの時給コストの国家など考えら れないし、企業の単純事務労働に20ドルの時給は世界的に見て考えられない コストです。単純事務労働に20ドルの人件費コストの国民は、世界には必要 ないのです。高度な知的創造をするレベルにはなく、コストだけ高い国民経済 は、世界的経済の中で失業していきます。

日本企業の海外工場では300万人以上の人間が働いています。日本企業は なぜ国内で日本人を雇用しないのでしょう。日本の失業問題などすぐに解決が つきます。問題は日本人のコストが高いためだと言われますが、よく考えてみる と日本人と同じことを安いコストで行える国家が増えたと言うことです。つまり、 日本人の労働レベルは、すでに世界でもありふれたレベルであり、日本人を あえて使う必要はないというわけです。日本企業も外資系企業も日本人はコスト に対してレベルが低く“使い物にならない”と雇用しないのです。日本政府が 構造改革をしても、レベルの低い“使い物にならない”日本人を雇用する企業 は国内にも海外にも出てきません。そんなことをしたら企業が潰れるのです。 コストに見合う経済的価値を創造する高度な労働者でなければ、これまでの コストでは雇用する企業は永遠に出てこないのです。

小手先の知識で誤魔化してきたIT業界のコンサルタントも厳しい評価の波は すでに来ています。経済的価値を創造する知性を日本人は軽視してきました。 組織や規模が経済的優位を作り出したのは過去の時代のことです。高度で 卓越した人材の存在が企業や国家を左右します。

ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レヴューの7月号は「見えざる資産のアド バンテージ」を、8月号は「知識シナジーのコラボレーション」を特集しました。 また、一橋ビジネス・レヴューは最新号で「知的競争力としての人材」を特集 しました。いよいよ、世界の流れが、知的創造をなす高度な人材の育成と、 知的創造活動による経済価値の企業資産化に注目し始めました。世界でも トップ・レベルの高度な人材の育成と知的財産の経済価値が企業や国家の 存亡も左右すると考え始めました。“モノ作りよりも知恵作り”がはるかに高い 経済価値を創造することに世界が気づきはじめ、世界的な人材収集と人材 教育に多くの資源を配分しようと動き出したのです。

8月に「知的財産経営」という本を日本プラントメンテナンス協会から出版 します。今回のこの本は、日本を新たに襲うであろう「知的財産経営」と 「知的財産会計」を取り上げています。この本で解説する「知的財産経営」と 「知的財産会計」の真髄は個人の高度なナレッジの創造です。個人の権利と 能力が企業や国家を変革して行くという文脈です。“お上”や“企業”が個人を 救ってくれるというようなものではありません。個人が“豊かな人生”とは何かの問題に回帰して、自己の能力を人生という時間の中でいかに“知的創造” という活動を通して、社会に貢献するかが、この本の根底の精神です。 個人の再生なしに、企業の再生も、国民経済の再生もありえないというわけ です。この本が、日本社会のすべての立場の個人に“未来に対する力と勇気” の源になるよう願っています。

<本のお問い合せ>
  日本プラントメンテナンス協会 (http://e-rescue.jipm.or.jp)
  出版事業本部 若槻氏
  TEL:03-3433-0352  E-mail:swakatsuki@jipm.or.jp

今回の「知的財産経営」の出版に関しては、8月に出版記念講演を開催します。 また、秋山弁理士と7月26日には出版先行講演を行います。

<7/26セミナーの お問い合せ先>
  (株)技術トランスファーサービス (http://www.tectra.co.jp
  TEL:03-3578-1951

今後、東京、名古屋、大阪、広島、福岡と各地の大手IT企業、研究協会、 経済同友会、商工会議所などでの講演も開催していきます。昨年は 「ビジネスモデル特許」で全国25の企業や団体で7000人の企業トップや 団体役員の方々に講演させて頂きました。今年後半は「知的財産経営」 で講演してまいります。これまでどおり、皆様のご支援を心からお願い申し上げます。

中嶋経営科学研究所 所長 中 嶋  隆

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