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韓流ドラマの新たな潮流(商道・王建・海神・朱蒙・大祚栄)
韓国のテレビドラマの朱蒙の地上波放送が始まりました。『冬のソナタ』から『宮廷女官チャングム』へと人気は続いていますが、いよいよ韓国の大河ドラマや特別記念ドラマなどの歴史大河ドラマ(商道・王建・海神・朱蒙・大祚栄)が日本で放送され始めました。
『商道』は、朝鮮王朝時代に中国の清王朝との貿易で一大勢力を築いた商人の物語です。主人公のイムサンオクは賤民出身の行商人から、朝鮮だけでなく中国との大規模の貿易を行い、従三品の官職にまで登りつめた朝鮮時代最高の富豪商人になります。晩年に自分のすべての財産を朝鮮社会に還元し、「商売とは利益を残すことではなく、人を残すことだ。」との信念で、朝鮮商人すべてから尊敬を一身に受けた人物です。
『王建』は、統一新羅王朝(AD676−AD935)が弱体化して西の新百済と北の高麗が台頭し、新百済と新羅が滅亡して高麗が朝鮮半島を統一するお話で、主人公は高麗王朝の太祖王建です。200話にもなる超大河ドラマですが、統一新羅王朝の末期の後三国時代の韓民族を理解するには最高のドラマです。
『海神』は統一新羅時代(AD676−AD935)に実在した新羅人のチャン・ボゴという英雄の話です。身分の低い主人公が、約1000年前に日本から東南アジアまでの海上を支配し、“海神”と呼ばれるまでの激動の人生が描かれます。中国の唐王朝から東南アジアや当時のチベットの吐蕃や大理にまで広がった広大な地域を新羅商人は交易商団で行き来し、海だけでなく広大な陸地も自由に移動していた新羅商人の活躍が驚きです。
『朱蒙』は、紀元前100年ごろの古朝鮮王朝が滅亡して、中国の漢王朝から支配された遼東地域から逃げてきた韓民族を扶余王国(BC100−AD494)が吸収して、中国の漢王朝と対立する時代に、扶余の王子である朱蒙が、扶余から独立して高句麗(BC37−AD668)を建国するお話です。巫女が大きな政治勢力である扶余は、扶余から生まれるであろう「三足カラス」(高句麗)の存在におびえます。
『大祚栄』は、高句麗の将軍の息子で、高句麗滅亡後に韓民族を吸収して渤海(AD698−AD926)を建国した大祚栄のお話です。統一新羅時代には、百済や高句麗は中国の唐王朝と新羅王朝の連合軍に敗退して滅びますが、北には新たに渤海王朝が登場します。
つまり、韓国では古朝鮮王朝滅亡後に、扶余王朝が遼東地域を支配し、その後扶余の朱蒙が高句麗を建国し、南に移った扶余族からは百済が建国され、新羅も歴史に登場します。高句麗は朝鮮半島から遼東地域にいたる広大な地域を支配して、唐と新羅連合軍に敗退してからは、その流れは高句麗から出た渤海王朝へと受け継がれます。中国の唐王朝の時代に、韓民族は統一新羅王朝と渤海王朝の南北朝の時代から、渤海が遼(契丹)に滅ぼされると、渤海の数万人の流民と渤海王子は高麗に帰順し、新百済と高麗の台頭で弱体化した新羅は滅亡します。朝鮮半島を統一した高麗の後を継ぐのは朝鮮王朝です。
韓民族の歴史を考えてみると、約1000年以上も遼東地域(旧満州地域)は韓民族の支配する土地でした。中国の最後の王朝である女真族の清王朝はもともと靺鞨族で、古代では高句麗王朝に服属し、後に高句麗遺民と共に渤海王朝を建国した南の粟末靺鞨と、後に女真族となり金国、清国を建国した黒水靺鞨が存在しました。中国の遼東地域の西にいた遼(契丹)から1115年に独立して金を建国し、中国の清王朝となります。中国の万里の長城の外の遼東地域(旧満州地域)は韓民族や清王朝の女真族が一体となって国家を建国してきた歴史があります。
韓民族の遼東地域支配
新羅(BC57−AD939)・・統一新羅・・・新羅
↑ ↓
古朝鮮→扶余王国(BC100−AD494)→百済(BC18−AD661)・・・・ 新百済・高麗→統一高麗
↓ ↑
『朱蒙』高句麗(BC37−AD668)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↓ ↑
『大祚栄』渤海(AD698−AD926)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2000年以降に、中国政府と韓国政府の遼東地域の発掘共同調査は大規模に進められて、韓国古代史の新たな発見が続いています。韓国は中国との歴史を遼東地域の大規模な遺跡や古墳の発掘調査によって、再検討しようとしています。朝鮮半島だけでなく、広大な万里の長城から北の遼東地域を支配してきた韓民族が、扶余の時代から始まる中国王朝との陸路と海路の交易の歴史をまさに再検討して、中国と韓民族の歴史を新たに共同研究し始めています。これまで考えられてきた朝鮮と中国の国境も歴史的に見直しが始まっているのです。
つまり、1978年以降の中国の改革開放政策によって、経済的な協力関係を強化してきた中国と韓国は、政府指導の遼東地域(旧満州)の共同発掘調査によって、これまでの歴史認識がまったく変わりつつあるのです。紀元前100年頃の扶余(BC100−AD494)が中国の漢王朝の脅威となるほどの勢力であったこと、扶余の朱蒙に建国された高句麗(BC37−AD668)が中国の隋王朝や唐王朝の陸海100万人の軍隊に2度も侵略されても高句麗が勝利したほど、高句麗は東アジアでは強大な帝国であったことなど、歴史的な発掘調査で中国と韓国の歴史が大きく変わってきました。日本では大化の改新(AD645)で中大兄皇子が蘇我入鹿を滅ぼした頃、大陸では中国の唐王朝の皇帝李世民が総軍100万人の大軍団で、高句麗の遼東城を攻めていました。唐王朝の陸路の高句麗侵略軍100万人の他に唐王朝の水軍数百隻と数十万人が、この戦いで唐王朝の侵略軍は陸と海で全滅に近い大敗北をこうむり、唐王朝の皇帝は瀕死の状態で中国に逃げ帰ります。後に新羅と唐王朝連合軍に高句麗が敗北し、統一新羅(AD676−AD935)や渤海王朝AD698−AD926)が遼東地域と朝鮮半島を高句麗に代わり支配し、中国の歴代王朝と対立してきた歴史が、遼東地域の発掘調査でも証明されつつあります。
また、韓民族の扶余の時代から大陸貿易が活発で、中国の隋や唐の時代に高句麗は中国沿岸地域を行き来する商船や膨大な高句麗水軍が存在し、新羅時代には中国の唐王朝の大臣や地方長官になる新羅人も多く、新羅商船団の貿易地域は中国沿岸地域から東南アジアにまで広がっていたこと、また新羅商団は陸路で当時のチベットの吐蕃王朝や大理王朝まで交易地域を拡大していたことなど、単に中国歴代王朝と韓民族は対立し戦争するだけでなく、経済的な交易や歴代王朝の重要な地位の人材まで輩出し、中国大陸だけでなく、チベットや東南アジアまで商圏とする新羅時代の大商業商団も数多く活動していたことが、分かってきたのです。
中国やロシアとの国境は、すでに20世紀に確定してしまいましたが、本来の韓民族の支配地域が、遼東地域の広大な地域であるとの認識は、韓国国民の中でも急速に広がっています。現在の中国においても朝鮮族は遼東地域を中心に存在し、吉林省が約120万人、黒龍江省に約45万人、遼寧省に約25万人で、延辺朝鮮族自治州には約84万人が住んでおり、中国の朝鮮族は全体では約274万人です。自治州にある龍井市、延吉市、和龍市、図們市などでは、総人口の約60%を朝鮮族が占めており、街中にハングルが溢れています。中国の朝鮮族の約274万人や米国の在米韓国人の約200万人や日本の60万人を超える在日韓国人などが、韓国本国と在外韓国人約530万人の世界ネットワークが新たな21世紀の韓国を支えています。
韓国は、2000年以降に、大陸での韓民族の歴史を見直し、民族の歴史の再評価を始めています。漢民族やモンゴル民族に対峙し、遼東地域に扶余・高句麗・渤海・新羅・高麗と1000年以上も君臨した韓民族国家の歴史を朝鮮半島ばかりでない偉大な歴史として、中国政府との共同発掘研究によって認識し始めています。韓国や中国政府の動きは、韓国の大河ドラマにも大きく影響し、これまでの歴史を変える新事実の発見によって、扶余や高句麗や渤海や新羅や高麗の歴史ドラマが続々と制作されているのです。東アジアの大陸で中国の歴代王朝に対峙してきた漢民族の歴史が、韓国国民に新たな自信と確固たる歴史観を与えつつあります。そして、21世紀に中国との新たな関係を結ぼうと動き出した韓国は中国政府との歴史的な共同研究を継続しています。新たな歴史観と民族の自信と世界的な民族ネットワークで、21世紀の新たな韓国の誕生を明確に感じさせる韓流ドラマの始まりです。
ちなみに、我が日本でも密かに歴史の再検討が始まっています。1万円札の聖徳太子は、最近では肖像画が聖徳太子ではないことが分かりました。つまり、1万円札の聖徳太子はまったくの別人だったのです。さすがに、財務省は別人を聖徳太子として印刷している1万円札を止めて、新たな新札福沢諭吉を肖像として発行しています。また、聖徳太子の肖像が間違いだけでなく、聖徳太子の存在や業績にも疑問があり、聖徳太子なる人物が存在しなかったとして、現在では教科書から聖徳太子の記述がなくなりつつあります。それと、日本の大河ドラマの視聴率が下がって、大河ドラマも人気がありませんが、山本勘助なる戦国時代の武将が存在しなかったことなど、日本では歴史的に信じられていた人物が実在しなかった例が次々と出てきて、密かに日本の歴史が変えられています。
参考文献:
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(12)世界貿易ランキング(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(9)世界GDPランキング(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(7)日本の貿易構造(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(4)世界汚職清潔度ランキング(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(3)世界GDPランキング(2003年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(2)世界貿易ランキング(2003年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(1)日本の貿易構造(2003年)」
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第123号「郵政選挙(終わりの始まり)」
臥流通清第122号「日本社会の貧困」
臥龍通信第121号「郵政民営化法案の欠陥」
臥龍通信第120号「日本の政治の構造改革」
臥龍通信第119号「戦後60年の政治」
臥龍通信第118号「戦後60年の総決算」
臥龍通信第117号「独裁政治への道(郵政民営化法案騒動)」
臥流通清第115号「日本の少子化と女性問題」
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臥流通清第113号「日本の右傾化」
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臥流通清第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」
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臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」
参考資料:「公開コンテンツ」
参考資料:「臥龍通信」
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