2006.09.25
中嶋経営科学研究所 所長 中嶋 隆 |
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| 日本人の金融資産 日本人の金融資産は、2006年6月で国民家計の金融資産は約1499兆2943億円となり、1500兆円を割りました。日本の国民家計の金融資産は、1499兆2943億円ですが、野村総合研究所によれば、国民家計の金融資産から借金である負債を引いた純国民金融資産は、2005年に約4900万世帯で、約1153兆円です。純金融資産の内容は、銀行預金や株式や投資信託や債券などの金融資産の合計で、野村総合研究所は、日本の国民家計の純資産を発表していますが、超富裕層(金融純資産5億円以上)が国民世帯の約0.1%の約5万2000世帯で約46兆円の資産があり、富裕層(金融純資産1億円以上5億円未満)が国民世帯の約1.6%の約81万3000世帯で167兆円の資産があります。準富裕層(金融純資産5000万円以上1億円未満)が国民世帯の約5.7%の約280万4000世帯で約182兆円の資産があり、アッパーマスという上位大衆層(金融純資産3000万円以上5000万円未満)が国民世帯の約14.3%の約701万9000万世帯で約246兆円の資産があり、その他の大衆層(金融純資産3000万円未満)が約78.3%の約3831万5000世帯で約512兆円の資産がありました。日本の超富裕層と大衆層との金融純資産の格差は約40倍にもなりました。 <日本の純金融資産の世帯分布> 超富裕層(金融純資産5億円以上) 5万2000世帯 富裕層(金融純資産1億円以上5億円未満) 81万3000世帯 準富裕層(金融純資産5000万円以上1億円未満) 280万4000世帯 上位大衆層(金融純資産3000万円以上5000万円未満) 701万9000世帯 大衆層(金融純資産3000万円未満) 3831万5000世帯 <日本の金融純資産の資産分布> 超富裕層(金融純資産5億円以上) 0.1% 46兆円 富裕層(金融純資産1億円以上5億円未満) 1.6% 167兆円 準富裕層(金融純資産5000万円以上1億円未満) 5.7% 182兆円 上位大衆層(金融純資産3000万円以上5000万円未満) 14.3% 246兆円 大衆層(金融純資産3000万円未満) 78.3% 512兆円 日本の金融純資産は、上位の超富裕層と富裕層と準富裕層で日本の全世帯の約7.4%に集中して、超富裕層は大衆層の40倍、準富裕層まで計算しても大衆層の4.6倍も金融資産の格差が国民家計で広がっています。日本の所得収入格差が広がっていますが、国民家計の収入格差だけでなく、資産格差も広がっています。資産増加率は超富裕層で約33%ですが、超富裕層以外の合計の世帯の資産増加率は約5%ですから、資産格差は所得収入格差でさらに大きく拡大しています。国民世帯の上位20%と下位20%の所得格差意は、1990年代で10倍程度でしたが、2005年には約168倍の所得格差に拡大しました。フリーターと正社員の平均賃金格差は生涯賃金で約1億6000万円もの格差にまで拡大しています。すでに、年収300万円以下の所得収入の労働者は労働者全体の約30%を超えました。このままでは、20年後には年収300万円以下の労働者は労働者全体の50%を超える勢いです。 ちなみに、中国本土の1990年のGDPは約25兆3518億円で、日本のGDPは約467兆4000億円もありました。2005年のGDPでは、中国本土が約265兆1740億円と1990年の約10倍になり、日本は約502兆9000億円で1990年の約1.08倍です。中国本土は2010年にはGDPが約380兆円と1990年の約15倍になります。中国は15年間で国民所得を約10倍にして、20年で15倍にしようとしています。中国の豊かさは、平均年収が10倍や15倍になっていく国民所得の増加です。日本のように所得が減少する格差ではなく、すべての国民の所得が飛躍的に増加する格差が中国の格差です。日本の国民の所得は過去15年で平均して1.08倍で中国本土は10倍になりました。2010年には中国本土と香港と台湾のGDPは合計で約440兆円になります。世界中の華僑の経済規模が約100兆円を超える中で、中国の経済圏は確実に2010年には日本のGDP以上の規模になります。 1990年 2005年 2010年 中国 約25兆3518億円 →約265兆1740億円(10.46倍) →約380兆円(約15倍) 日本 約467兆4000億円 →約502兆9000億円( 1.08倍) → ? 最近、問題になっている高金利の消費者ローンでも、経済格差の問題として大きな注目を集めています。日本の自殺者は毎年3万人を超えて、消費者金融の追い込みで自殺したとされる国民は、毎年約3600件で、消費者金融が貸付の時に生命保険に加入させ、死亡で保険金を消費者金融が受け取った件数は明確な自殺と不明な死亡を合わせて、毎年約7000件を超えます。高金利の貸付と過酷な取立てによって自殺や不明な死亡に追い込まれる国民が毎年約7000人以上も経済格差の犠牲になっています。北朝鮮の拉致問題では国際的にも非難する国民が、毎年約7000人以上の自殺者を生み出している高利の消費者金融を保護する金融行政にはまったく憎しみがありません。消費者金融に資金を貸し付けて、金儲けしている生命保険会社は生命保険の受け取りに関しては、1年以上の保険期間があれば死亡の事実だけで、保険金を消費者金融に支払うことになっており、大銀行も消費者金融に資金を貸し付け、大儲けしている日本の構図は、国民の生命で金儲けする構図です。格差が拡大すれば、国民の約260万人以上の多重債務者は毎年7000人以上の経済格差の犠牲者を生み続けます。高利の資金を国民に貸し付け、返せなくなれば過酷な取立てで自殺にまで追い込み、生命保険で貸し付け資金を回収する貸金業を保護する国家があっていいのでしょうか。 人類の進化も、民族の進化にも必要なものは、多様性です。言語や文化や社会規範の多様性の中で、新たな時代の人材と社会が形成されていきます。経済的な成長を可能にする単一性と成熟した経済社会が新たに進化するための多様性を両方満足させることは困難なことですが、21世紀の日本には必要なことです。貧しい国家が豊かな国家となるために、国家統一した経済発展を可能にするには、民族の単一性は大きな統合原理になりえましたが、経済発展を実現し成熟した国家が新たな進化をするには、単一性から多様性の新たな可能性を実現しなければなりません。様々な異種の考え方を容認する寛容さと異種の考え方を迫害しない、単一性を要求しない社会が必要ですが、日本社会では異種な人物はいまだに迫害の対象です。学校ではいじめの対象となり、社会では就職差別の対象です。 家庭教育が崩壊し、学校教育が崩壊し、高等教育まで崩壊した日本で、もはや日本人の単一性さえも疑う時代になりました。倫理観も道徳観もない大人や子供の出現に日本社会は驚き慌てています。単一性も維持できず、多様性も容認できない閉ざされた日本社会で経済的な格差がさらに国民を追い込んでいます。豊かな日本で、生活保護を拒否されて、餓死した老人が発見され、ホームレスが孤独に路上死し、毎年交通事故の約3倍の3万人も自殺し、借金のために自殺や不明な死亡に追い込まれる人々が毎年7000人以上で、さらには生きていくために追い込まれた国民は犯罪に走ります。親に見捨てられて虐待される子供たちの避難所は満杯で会議室の床にまで寝なければならないほど悲惨です。日本の富裕層しか見ていない豊かな日本の政治家と官僚は、日本社会の貧困をどう考えるのかとあらためて感じる日本人の金融資産格差でした。 参考文献: 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(12)世界貿易ランキング(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(9)世界GDPランキング(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(7)日本の貿易構造(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(4)世界汚職清潔度ランキング(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(3)世界GDPランキング(2003年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(2)世界貿易ランキング(2003年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(1)日本の貿易構造(2003年)」 公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」 公開コンテンツ「危機意識なき日本」 臥龍通信第123号「郵政選挙(終わりの始まり)」 臥流通清第122号「日本社会の貧困」 臥龍通信第121号「郵政民営化法案の欠陥」 臥龍通信第120号「日本の政治の構造改革」 臥龍通信第119号「戦後60年の政治」 臥龍通信第118号「戦後60年の総決算」 臥龍通信第117号「独裁政治への道(郵政民営化法案騒動)」 臥流通清第115号「日本の少子化と女性問題」 臥龍通信第114号「米国政府要望書」 臥流通清第113号「日本の右傾化」 臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」 臥流通清第111号「日本の戦後と靖国問題@」 臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」 臥龍通信第108号「中国から見た日本」 臥龍通信第106号「最近の中国対立」 臥龍通信第98号「日本の対中貿易」 臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」 臥龍通信第94号「日本の教育」 臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」 臥龍通信第87号「IMDと社内大学」 参考資料:「公開コンテンツ」 参考資料:「臥龍通信」
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