2006.04.07
中嶋経営科学研究所 所長 中嶋 隆 |
|||
| 外貨準備高世界一 中国本土が、2006年2月末で外貨準備高世界一となりました。これまで、外貨準備高世界一であった日本は中国圏(中国本土・香港・台湾)ではなく、中国本土単独で追い抜かれて、中国本土が世界一の金持ちということになりました。中国本土は2006年2月末で、約8536億ドルの外貨準備高となり、日本の約8500億ドルを追い抜きました。台湾の約2534億ドルと香港の約1227億ドルを合計すれば、中国圏は約1兆2297億ドルの外貨を保有する世界最大の金持ちとなったのです。 1.中国本土 約8536億ドル 2.日本 約8500億ドル 3.台湾 約2534億ドル 4.ユーロ圏 約2121億ドル 5.韓国 約2089億ドル 6.ロシア 約1659億ドル 7.インド 約1389億ドル 8.香港 約1227億ドル 9.シンガポール 約1150億ドル 日本経済新聞は、中国本土の外貨準備高世界一を世界経済の通貨不安定の要因ともなりうると懸念しています。日本は米国のドルをそう簡単には売らないが、中国は米国政府に関係なくドルを売る可能性があるというのです。米国政府のためにはドルを売れない日本には、中国の自由な為替政策は外貨不安定要素と考えるのですが、外貨を売るか売らないかは国際経済の中では国家政府の自由な選択ですが、米国政府の言いなりの日本には中国が外貨を外交の手段として米国に圧力を加えることを恐れているようです。中国圏で約1兆2300億ドルの外貨で欧州や米国を通貨で脅すこともできる中国に、日本はドルを売るといっただけで総理大臣を下ろされる現状を羨ましくも見ているようです。(橋本前総理はドルを売るような発言をしただけで、現実に総理大臣の椅子から追われました。) 中国経済に対する日本の誤解と嘘 中国に対する海外からの投資は、契約ベースで2003年は約12兆円の投資がありました。世界から投資資金が集まる中国ですが、中国の約13億人の経済発展にはまだまだ資金が足りません。中国の沿海州の経済特区の経済発展は加速度的に進んでいますが、世界中の資金が沿海州から大陸内部へと流入して、遅れていた大陸農村部も経済発展に必要な資金が世界中から集まりつつあります。 日本人は日本のODAや民間投資おかげで、中国経済が発展しているという大きな誤解があります。最近でもテレビで有名な専門家やジャーナリストが「日本のODAのおかげで中国は経済発展できたことを中国人は国内で教育していない。」と発言していました。日本の若者には、テレビで発言するジャーナリストや専門家のコメントを修正もせずに流してしまうので、多くの日本国民は、「日本のODAで経済発展してきた中国には日本に対する感謝がない。」と誤解します。しかし、テレビの政治家やジャーナリストや専門家の発言には根拠がありません。 中国の経済発展は、20年以上も前から海外からの投資の70%以上は華僑資本からの投資でした。中国本土は、香港や台湾を華僑経済圏として考えていますから、世界中の約6000万人の華僑の年間150兆円とも200兆円とも言われる経済力が、中国の経済発展の原動力になりました。日本の中国に対するODAは海外からの中国に対する投資全体の1〜1.5%に過ぎません。現在では1%を割ってしまいました。日本のODAは中国の経済発展の海外資金の1〜1.5%で、90%以上の資金は香港や台湾を中心に世界中から投資されました。日本人がテレビで日本のODAや日本企業の投資がなければ、中国経済は発展しなかったなど、明らかに嘘です。しかし、日本の国民の多くは平気で嘘を報道するテレビやジャーナリストを信用します。2003年で、日本の中国に対する直接投資は、日本政府と民間企業をあわせても、海外からの直接投資総額の6.9%にすぎません。香港(35.4%)や台湾(7.4%)や韓国(8.0%)よりも中国投資が少ない日本(6.9%)の存在感は、日本人が考える以上に中国人にはありません。中国の経済発展に貢献した日本のODAと民間企業資金は中国の全体資金の多くても8%程度にもなりません。中国政府は中国経済発展のために資金投資の70%以上を負担し、海外投資が増加した現在でも42.8%の投資をしてくれている華僑には感謝していますが、全体投資の6.9%程度の日本の貢献に対する中国人の感謝がないというほど、日本は中国の経済発展に過去においても、現在においても貢献していないのです。 実際に、2003年までの政府系の投資を除いた海外企業の中国投資累積総額でも、日本企業の中国投資累積総額は約464億3300万ドルで、中国の投資累積総額の約10.6%に過ぎません。中国の現在までの経済発展は、日本企業や 日本政府のおかげと言うには少なすぎます。台湾と香港の華僑企業だけで現在も投資累積総額の63.9%を占め、中国の経済発展を可能にしたのはやはり華僑企業の投資であったことは明白ですが、日本国民も日本政府も日本企業も中国の感謝がないと言い続けています。まるで香港企業や台湾企業のような中国投資をしてきたと言わんばかりですが、日本のジャーナリストや専門家まで、公然と中国に対する10%程度の日本の貢献を強調します。日本はほんとうに恥ずかしい国家になりました。 2003年までの海外企業の中国投資累積総額
2003年の直接投資額を見ると、香港(35.4%)や台湾(7.4%)や米国(8.9%)や韓国(8.0%)の中国投資額が、日本の民間企業や日本政府のODAの投資額(6.9%)よりはるかに多いのですが、香港や台湾や米国や韓国は、日本のように「日本政府や日本企業の投資に感謝しろ。」と政治家やジャーナリストがテレビで堂々と発言したことがありません。年間の中国投資総額のたった1%にもならない日本政府援助のODAや6%程度の民間企業投資で、中国の経済は日本なしにはありえないと感謝しろなどと言うのは、世界中でも日本だけで日本の政治家やジャーナリストは恥ずかしい存在でもあります。そして、日本の政治家やジャーナリストの発言を訂正もせず放送してしまう日本の放送局も、政治家やジャーナリストの発言を疑うこともなく信じてしまう日本国民も問題です。 日本の経済協力など、なくてもかまわないと考える中国人と中国は日本の経済協力がなければ中国経済は成り立たないと思いたい日本人のギャップは大変大きくなりました。中国に対する日本の経済的影響力はもはや限りなく小さくなったという認識が日本人にはまったくありません。中国にとっては経済的に香港と台湾と米国と韓国が日本以上に重要な国家であることに日本は愚かにも気づいていません。。 中国に対する海外からの直接投資2003 (金額単位:100万ドル)
参考文献: 公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」 公開コンテンツ「危機意識なき日本」 臥龍通信第123号「郵政選挙(終わりの始まり)」 臥流通清第122号「日本社会の貧困」 臥龍通信第121号「郵政民営化法案の欠陥」 臥龍通信第120号「日本の政治の構造改革」 臥龍通信第119号「戦後60年の政治」 臥龍通信第118号「戦後60年の総決算」 臥龍通信第117号「独裁政治への道(郵政民営化法案騒動)」 臥流通清第115号「日本の少子化と女性問題」 臥龍通信第114号「米国政府要望書」 臥流通清第113号「日本の右傾化」 臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」 臥流通清第111号「日本の戦後と靖国問題@」 臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」 臥龍通信第108号「中国から見た日本」 臥龍通信第106号「最近の中国対立」 臥龍通信第98号「日本の対中貿易」 臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」 臥龍通信第94号「日本の教育」 臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」 臥龍通信第87号「IMDと社内大学」 参考資料:「公開コンテンツ」 参考資料:「臥龍通信」
|
| =TOP= | |
| =Contents List Top= | |
Copyright(C) 2001-2004 Nakajima Management Science Institute E-mail:info@nakajima-msi.com |