2005.10.17
中嶋経営科学研究所 所長 中嶋 隆 |
|||
| 変化する日本と世界の関係(12)世界貿易ランキング(2004年) 世界貿易の構造が急激に変化しています。WTOが発表した世界貿易輸出額ランキングの2004年の結果は、想像以上の変化が世界の貿易構造で起こっていることを明らかにしました。 日本の貿易相手国の変化は、公開コンテンツ(変化する日本と世界の関係(7)日本の貿易構造2004年)を参照してください。 世界貿易輸出額ランキング(2004年) 2004年の世界貿易総額は約9兆637億7000万ドルで、2003年の世界貿易総額の6兆3783億4000万ドルの21.2%の成長で世界貿易は拡大しました。2004年の世界最大の貿易輸出国はドイツで、2003年と同様に米国の輸出額を超えました。驚くべきことは、中国圏(中国・台湾・香港)の輸出貿易額は、ドイツを超えて2003年と同様に世界最大となったことです。中国圏(中国・台湾・香港)の輸出貿易額は世界最大で、輸出成長率も26.3%と世界平均を超えた貿易輸出成長を継続しています。世界貿易ランキングの上位20位の国家で、貿易成長率が30%を超える国家は、中国(35.5%)、ロシア(35.0%)、韓国(31.0%)の3カ国で、すさまじい貿易成長率です。 中国圏の世界貿易に占める位置は2003年から世界最大で、2004年には中国単独でも日本の輸出額を超えて、ドイツ、米国に続く世界第3位の貿易輸出国になりました。日本を抜いて世界第3位の輸出貿易国家である中国は2008年の北京オリンピックの開催に向かって、さらに経済成長速度を加速させています。 世界貿易輸出における中国圏(中国・香港・台湾)の影響力は米国を超え、ドイツを超え、世界最大の貿易輸出額で世界を圧倒し始めています。 また、欧州の小大国(小さいが大国並みの経済力がある国家)のオランダ(8位)、ベルギー(9位)、スウェーデン(19位)、スイス(20位)の貿易額も注目です。 アジアでは、中国(3位)日本(4位)、香港(11位)、韓国(12位)、シンガポール(16位)、台湾(17位)マレーシア(18位)などが世界貿易輸出国の上位20位以内に入っています。 世界GDPは2003年に183カ国の総額GDPは約36兆3562億ドルで、2004年には12.46%拡大して、184カ国の世界GDPの総額が40兆8860億ドルで、世界は12.46%の経済成長をしていますが、日本の経済成長は世界平均の経済成長12.46%に到底及びません。世界貿易も21.2%の成長率ですが、日本の貿易輸出成長率は19.9%と世界平均に及びません。日本は世界的に見れば、世界平均の経済成長率には大きく及ばない国家となってしまいました。拡大する世界経済と縮小する日本経済の姿が世界GDPと世界貿易でも見て取れます。 世界貿易輸出額ランキング(2004年)
世界貿易輸入額ランキング(2004年) 世界貿易輸入総額は2003年の約7兆6614億2000万ドルで、2004年は21.6%の成長で世界貿易輸入総額は約9兆3191億4000万ドルになりました。 世界の貿易輸入額ランキングにも、貿易輸出額ランキングと同様の大きな変化がありました。2003年には中国圏(中国・台湾・香港)が世界貿易輸入額でも、ドイツ(2位)を超えて米国(1位)に次ぐ世界2位となったことは2004年も同様ですが、2003年の日本の輸入が6位だったのが、2004年には4位にまで拡大しました。そして、中国は単独でも世界貿易輸出と輸入額で世界第3位の国家となりました。 中国圏の世界貿易の輸出額は日本の約2倍で、輸入額も日本の約2倍に成長しました。世界貿易はもはや中国圏の経済なしには考えられない時代が来ました。 アジアの世界貿易輸入額ランキングでは、中国(3位)、日本(4位)、香港(11位)、韓国(13位)、台湾(15位)、シンガポール(16位)と世界貿易におけるアジアの地位は貿易輸出額と同様に貿易輸入額でも大きな位置を占めるまでに成長しました。また、ロシアが世界貿易輸入額ランキング上位20カ国の20位にランクインしました。 世界貿易輸入額ランキング(2004年)
世界から見た日本経済 日本の経済は回復傾向にあると言いますが、世界GDP成長率(変化する日本と世界の関係(9)世界GDPランキング(2004年))や世界貿易ランキングを見ると明らかに拡大成長する世界経済と縮小する日本経済の姿があります。海外では1億円で500万円ほどの利子を受け取れますが、日本では500万円の利子を受け取るには約130億円の預金が必要です。国民が受け取るべき利子を銀行が払わないでよい国家政策で、銀行は預金者の利子を企業利益として蓄積して莫大な利益を上げています。海外の銀行の利子の130分の1の利子で国民は生活し、預金者の利子を払わないことで成り立つ銀行経営で日本の企業経済は回復しています。日本国民は消費税が導入されて、国民が16年間に支払った消費税額の累計約148兆円で、法人三税(法人税、法人住民税、法人事業税)の減税額は累計で約145兆円とほぼ国民の消費税と同額になります。国民の消費税は日本企業の減税のために使われ、日本企業は145兆円もの税金を国民の消費税で負担させ、企業は企業減税分の税金を国民に負担させ、企業は税金を払わず利益を蓄積してきました。国民の預金利子を奪い、国民には消費税を要求し、企業には減税して、企業減税のための消費税という増税を要求し、国民資産を犠牲にした企業経営の経済回復が本当に国際競争力ある企業経済の回復なのでしょうか。厚生年金を支払う正規雇用者を減らし、厚生年金に加入できない1000万人以上のパートやアルバイトや派遣社員を増やし、厚生年金を破綻させる企業経営がほんとうに日本社会のための企業経営なのでしょうか。ノキアやボルボといった北欧の企業が莫大な社会的負担を負っても世界企業として企業経営をしているのに、北欧や欧州の企業の社会負担を日本企業が同じように負えば日本企業は国際競争力がなくなり、国際競争で敗退すると泣き言を言う日本企業はほんとうに企業経営を回復させたのでしょうか。戦後60年に、これまで蓄積してきた国民の資産を食い潰す国家経営と企業経営に、国民はどうすれば自分の資産の安全を考えられるのでしょうか。年金についても、公務員共済年金が公務員の削減によって年金を負担する公務員の減少で破綻する危険から、公務員共済年金を厚生年金と統合する案が年金改革として政府で考えられています。年金負担する公務員の削減が公務員年金制度を破綻させるために、企業の厚生年金に統合するなど、公務員の年金を厚生年金から支払うことで、厚生年金の国民給付はさらに低くなります。国民の厚生年金給付を下げてまで行う公務員救済の年金改革など必要なのでしょうか。日本社会と日本国民のための国家経営と企業経営の原点が忘れ去られた日本の姿をもう一度考えてみる必要があります。 参考資料: 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(12)世界貿易ランキング(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(9)世界GDPランキング(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(7)日本の貿易構造(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(4)世界汚職清潔度ランキング(2004年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(3)世界GDPランキング(2003年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(2)世界貿易ランキング(2003年)」 公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(1)日本の貿易構造(2003年)」 公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」 公開コンテンツ「危機意識なき日本」 臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」 臥流通清第111号「日本の戦後と靖国問題@」 臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」 臥龍通信第108号「中国から見た日本」 臥龍通信第106号「最近の中国対立」 臥龍通信第98号「日本の対中貿易」 臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」 臥龍通信第94号「日本の教育」 臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」 臥龍通信第87号「IMDと社内大学」 参考資料:「公開コンテンツ」 |
| =TOP= | |
| =Contents List Top= | |
Copyright(C) 2001-2005 Nakajima Management Science Institute E-mail:info@nakajima-msi.com |