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2005.07.15
変化する日本と世界の関係(9)世界GDPランキング(2004年)

中嶋経営科学研究所 所長  中嶋 隆


世界GDPランキング(2004年)

英国のグレンイーグルズで、主要国8カ国首脳会議(サミット)が、2005年7月7日 から始まる予定でしたが大規模なテロ攻撃で主要国首脳はあらためてテロへの戦いを覚悟しました。
G8は米国、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、ロシアで、今回は新興5カ国の中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカがG8会議に参加しました。21世紀の人類社会の問題を語り合う前に人類社会はテロの脅威という最も大きな問題を突きつけられました。

10年でGDP5倍の成長をする中国の経済力は、2004年の世界銀行のGDP統計では、中国単独で世界7位で、中国圏(中国・台湾・香港)合計では、世界5位のGDPとランキングされました。
米国の有名証券会社のゴールドマン・サックスは2025年には、中国のGDPは日本のGDPを追いぬき、2050年には米国のGDPを抜いて、中国が世界第1位のGDP大国になると予測しています。

すでに世界ランキングでも5位の先進国位置にある中国ですが、中国のG8加入は時間の問題と考えられ、中国が先進国の仲間入りする日はそう遠くありません。もはや先進国に匹敵する経済力のある中国圏ですが、中国大陸は世界GDPランキングで7位、台湾経済は世界銀行統計からは除外されていますが、実質は2004年で3054億ドルのGDPで世界GDPランキングでは20位です。香港経済が世界GDPランキングで33位ですから、中国圏合計では世界GDPランキング5位になります。中国経済の発展は日本や韓国などとは違い、多くの多様性の中で発展しています。

中国経済を牽引するのは中国の華僑5000万人を超える人材力と経済力で、米国のシリコンバレーで働いていた中国人は約9万人で、その40%の約3万6000人が博士で、30%の約2万7000人がMBAでした。米国に在住する中国人は、中国人子弟教育のための「全米中国語学校連合総会」を組織し、中国語学校は全米42州に402校の中国語学校を展開し、約7万人の学生が教育されています。米国で「高校生のノーベル賞」といわれている「インテル科学人材賞」の準決勝で、全米の高校530校から選抜された高校生の300名の中に、米国中国語学校の中国人が51名も入るほど中国語学校の教育レベルは高いのです。米国で科学技術を教える工科大学や工科大学院の教授7000人以上が中国人教授でもあります。米国の世界最先端の科学技術を本国にもたらす中国人人材と東南アジアの華僑の最先端の工業力が中国本土の科学技術や経済の牽引力として貢献しています。さらに、香港経済や台湾経済が経済牽引力としても機能し、中国大陸の沿海州を経済発展させています。韓国や日本のような国家全体の経済発展ではなく、海外華僑との連携の中で膨大な人口と地域の経済発展が中国で進んでいます。国家組織規模で考えれば、日本という国家が国内に10以上も存在し、海外にも膨大な華僑ネットワークがある中国の経済発展は、韓国や日本とは比較にならないほど国家統制が必要で、人類社会のエネルギーや食料の問題にも大きな影響を与えます。ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICsの経済発展に地球環境は耐えて行けるのでしょうか。先進国は新たな新興国家に自分たちと同じ権利を認めて行けるのでしょうか。国際的なテロとの戦いを覚悟しなければならない先進国は今後も繁栄を維持できるのでしょうか。先進国だけでは解決できないテロとは別の新興国とアフリカの問題があります。

世界GDPは2003年に183カ国の総額GDPは約36兆3562億ドルで、2004年には12.46%拡大して、184カ国の総額GDPが40兆8860億ドルで、上位5カ国で世界GDP総額の56.6%を占めます。上位10カ国で世界GDP総額の71.3%を占め、人類社会は自由主義の資本主義経済と言いながら、国家間の富の格差は過酷なほど集中しています。人類社会は平和でもなく、平等でもなく、国家間のすさまじい経済競争と貧富の格差が人類社会の現実です。

2004年世界GDPランキングで、アジアのインド(10位)が韓国(11位)を抜き、メキシコ(12位)、ブラジル(14位)、ロシア(15位)と15位以内に新興勢力がランクに入ってきました。

新興勢力として注目されるBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の4ヶ国GDPは、合計ではドイツを超えて世界3位のGDP規模にまでなりました。2039年には、現在のG7の7ヶ国合計のGDPよりBRICsのGDPが大きくなるとも予測される新興勢力ですが、新たな世界経済の時代が急激な速度で押し寄せています。

アジア研究では、世界的に有名な米国のハドソン研究所は、2010年には2004年の中国のGDP1兆6493億ドルが10兆5000億ドルに成長すると予測しています。日本の約2.5倍の米国に匹敵する世界第二位の経済大国として、中国は米国と欧州中心の世界秩序に大きな変化を及ぼすと考えています。100万人を超える都市も、米国で9都市、日本で13都市、欧州で36都市、そして中国は50都市以上と経済市場としても世界最大の資本主義経済の国家となるというわけです。科学技術の世界最先端博士号取得者も、2010年には日本が1万2504人、米国が2万3308人、中国が2万4718人と中国が科学技術でも世界最大の科学技術国家となると予測しています。

世界GDPランキングの15位以内に、アジアの日本、中国、インド、韓国、それに太平洋地域のオーストラリア、欧州のドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、アメリカ大陸の米国、カナダ、メキシコ、ブラジルと世界の経済構造は大きく変わり始めていると感じさせる2004年GDPランキングでした。

2005年12月20日修正版
中国は最初に発表した2004年度GDPを2005年12月に修正しました。最初に発表していた1兆6493億ドルを1兆9316億ドルに上方修正しました。したがって、中国は最初の発表の世界第7位から世界第6位のGDP国家となり、中国本土が単独で世界第5位のフランスや世界第4位の英国を抜くのは時間の問題となりました。数年先にはドイツに追いつく中国本土経済の発展がまた証明されました。この結果で、中国圏(中国・香港・台湾)の合計GDPは2兆4000億ドルとなり、韓国やインドの約3倍のGDPを中国本土が単独で達成して、中国圏で考えれば約4倍のGDPで、中国圏は東南アジアの華僑と連携してアジアでは圧倒的な経済発展を続けています。中国圏はすでに英国を抜く世界第4位の経済圏となりました。また、中国圏と連携する韓国経済がありますが、中国圏と韓国経済の合計GDPは3兆797億ドルとなり、ドイツの2兆7144億ドルを超え、世界第三位の経済圏でもあります。今後5年を中国や韓国が現在の経済成長を継続できれば、2010年には日本のGDPを中国圏と韓国の経済圏が抜くことも可能になってきました。日本を経済大国と呼ぶことも今後は考える必要がありそうです。

2005年度の中国のGDP速報
2004年は世界第6位の中国本土のGDPですが、2005年度速報が発表されました。世界第4位の英国が2005年では2兆300億ドルとなり、中国本土の2兆2000億ドルで一気に世界第5位のフランスと第4位の英国を抜き、世界第4位のGDP国家に中国本土が台頭してきました。中国圏(中国本土・台湾・香港)合計は、世界第3位のドイツとほぼ同額となり、ドイツの経済力に数年で追いつく経済力を中国が獲得するまでになりました。

     2005年12月修正版世界GDPランキング(2004年)
国名 GDP
1位 米国 11兆6675億ドル
2位 日本 4兆6234億ドル
BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国) 3兆8108億ドル
3位 ドイツ 2兆7144億ドル
中国圏(中国・香港・台湾) 2兆4000億ドル
4位 英国 2兆1409億ドル
5位 フランス 2兆26億ドル
6位 中国本土 1兆9316億ドル
7位 イタリア 1兆6723億ドル
8位 スペイン 9914億ドル
9位 カナダ 9798億ドル
10位 インド 6919億ドル
11位 韓国 6797億ドル
12位 メキシコ 6765億ドル
13位 オーストラリア 6313億ドル
14位 ブラジル 6049億ドル
15位 ロシア 5824億ドル
16位 オランダ 5773億ドル
17位 スイス 3595億ドル
18位 ベルギー 3498億ドル
19位 スウェーデン 3464億ドル
台湾 3054億ドル
20位 トルコ 3020億ドル
(出所:世界銀行)

公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(18)世界GDPランキング(2007年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(17)世界GDPランキング(2006年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(16)世界GDPランキング(2005年)」

参考文献:
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(12)世界貿易ランキング(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(9)世界GDPランキング(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(7)日本の貿易構造(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(4)世界汚職清潔度ランキング(2004年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(3)世界GDPランキング(2003年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(2)世界貿易ランキング(2003年)」
公開コンテンツ「変化する日本と世界の関係(1)日本の貿易構造(2003年)」
公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」
公開コンテンツ「危機意識なき日本」
臥龍通信第123号「郵政選挙(終わりの始まり)」
臥流通清第122号「日本社会の貧困」
臥龍通信第121号「郵政民営化法案の欠陥」
臥龍通信第120号「日本の政治の構造改革」
臥龍通信第119号「戦後60年の政治」
臥龍通信第118号「戦後60年の総決算」
臥龍通信第117号「独裁政治への道(郵政民営化法案騒動)」
臥流通清第115号「日本の少子化と女性問題」
臥龍通信第114号「米国政府要望書」
臥流通清第113号「日本の右傾化」
臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」
臥流通清第111号「日本の戦後と靖国問題@」
臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」
臥龍通信第108号「中国から見た日本」
臥龍通信第106号「最近の中国対立」
臥龍通信第98号「日本の対中貿易」
臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」
臥龍通信第94号「日本の教育」
臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」
臥龍通信第87号「IMDと社内大学」


参考資料:「公開コンテンツ」
No タイトル 作成
25  日本の化学兵器の中国遺棄問題 New 2005.06
24  危機意識なき日本 New 2005.06
23  変化する日本と世界の関係(8)世界GDP(PPPランキング)2003年 2005.05
22  日本の官僚主義 2005.03
21  変化する日本と世界の関係(7) 日本の貿易構造(2004年) 2005.03
20  変化する日本と世界の関係(6) アジアの貿易物流  2005.01
19  変化する日本と世界の関係(5) 中国と韓国の海外直接投資 2004.12
18  変化する日本と世界の関係(4) 世界汚職清潔度ランキング(2004年) 2004.12
17  変化する日本と世界の関係(3) 世界GDPランキング(2003年) 2004.10
16  変化する日本と世界の関係(2)世界貿易ランキング(2003年) 2004.09
15  厳しい国家財政 2004.08
14  変化する日本と世界の関係(1)日本の貿易 2004.02.
13.  プロフェッショナルへの道(1) 企業組織で働く覚悟と準備
 プロフェッショナルへの道(2) 企業組織で働く現実
 プロフェッショナルへの道(3) 営業プロフェッショナルへの道
 プロフェッショナルへの道(4) システムエンジニア&ITコンサルタントへの道
 プロフェッショナルへの道(5) 研究機関研究者への道 
2003.09
12.  企業経営学と国家経営学 2003.08
11.  知的財産権の新たな潮流 2003.08
10.  アジアの台頭 (1) 〜 アジアマネーの台頭とアジアの経済発展  
 アジアの台頭 (2) 〜 米国の中国人ネットワーク
 アジアの台頭 (3) 〜 インドのIT産業政策とインドのソフトウェア産業
 アジアの台頭 (4) 〜 アジアの経済規模
 アジアの台頭 (5) 〜 世界の大学生と大学院生
2002.12
9.  韓国固有の価値観 (1) 〜 韓国語の価値観
 韓国固有の価値観 (2) 〜 韓国社会の価値観
 韓国固有の価値観 (3) 〜 韓国の政治における価値観
 韓国固有の価値観 (4) 〜 韓国の企業経営における価値観
 韓国固有の価値観 (5) 〜 韓国人の価値構造
2002.05
8.  韓国の歴史的社会文化構造 (1) 〜 韓国人の血縁
 韓国の歴史的社会文化構造 (2) 〜 韓国人の地縁
 韓国の歴史的社会文化構造 (3) 〜 韓国の軍閥と学閥
 韓国の歴史的社会文化構造 (4) 〜 韓国の財閥
2002.05

参考資料:「臥龍通信」
発行日 発行No タイトル
2004.09.05 第87号  IMDと社内大学New
2004.09.05 第86号  実力主義の「人間管理」と「能力管理」New
2004.08.11 第85号  日本の戦後問題 
2004.08.11 第84号  2007年問題 
2004.07.23 第83号  企業経営と国家経営 
2004.07.23 第82号  未公開株の取引 
2004.07.02 号外  スウェーデン・プロジェクト
2004.07.01 第81号  日本の政治の大改革 
2004.06.21 第80号  日本の21世紀の課題 
2004.05.25 第79号  美しい日本の国土再生
2004.05.10 第78号  激動する世界情勢
2004.05.10 第77号  現代日本の問題点
2004.04.25 第76号  企業経営とITと知的財産権 
2004.04.25 第75号  「韓流」の映画とドラマ 
2004.04.08 第74号  日本のIT産業の実力
2004.04.08 第73号  「科学技術」と「職人技能」
2004.03.29 第72号  「攻殻機動隊」と「イノセンス」
2004.03.12 第71号  日本近代史の分岐点
2004.02.22 第70号  21世紀の大学改革
2004.02.22 第69号  行動する日本人の時代
2004.02.12 第68号  21世紀の日本人と日本社会 
2004.01.27 第67号  国家経営力統計
2004.01.10 第66号  年金問題の本質
2003.12.02 第65号  日本マンガの実力
2003.12.02 第64号  日本の政治
2003.10.17 第63号  企業就労と健康と個人の幸福 
2003.10.17 第62号  知的財産権政策後退の阻止 
2003.09.26 第61号  地域主義の新たな潮流
2003.09.25 9月号外A  セキュリティ・ソフトについて
2003.09.05 9月号外@  コンピュータウィルスについて
2003.08.20 第60号  日韓の近代・現在史
2003.08.20 第59号  国連問題と日本外交
2003.07.10 第58号  国家経営力(2) 
2003.07.10 第57号  国家経営力(1) 
2003.06.25 第56号  特許戦略よりも知性戦略
2003.06.07 第55号  『日本の知性は死んだのか?』 
2003.06.07 第54号  経営力の時代(3) 
2003.06.07 第53号  経営力の時代(2) 
2003.06.07 第52号  経営力の時代(1) 
2003.05.21 第51号  「裁判員制度」の法制化  
2003.04.25 第50号  朝鮮半島の中国と米国の関係  
2003.04.25 第49号  日本のITの基礎知識(5)  
2003.04.25 第48号  日本のITの基礎知識(4)  
2003.04.25 第47号  日本のITの基礎知識(3)  
2003.04.25 第46号  日本のITの基礎知識(2)  
2003.04.25 第45号  日本のITの基礎知識(1)  
2003.03.10 第44号  日本の産業競争力
2003.03.10 第43号  日本の安全保障
2003.03.10 第42号  日本の知性創造サイクルの変革

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