2004.08.17
中嶋経営科学研究所 所長 中嶋 隆 |
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| 厳しい国家財政 内閣府が編集協力している「にっぽんNOW」という新聞に入っている平成16年8月16日の資料に、日本の国家財政の説明資料がありました。 借金に依存した厳しい国家財政状況を説明する資料ですが、拡大する国家財政の赤字は、当然日本国民の税金でしか解決できません。これまで行って来た日本の国家経営の責任である財政赤字は国民の責任として膨大な税金で処理されますが、国民に膨大な税金を要求しなければならない国家経営の責任は、政治家も官僚もだれも取ることも追求されることもありません。膨大な赤字財政の借金を作った国家経営者の責任は追及されず、国家財政赤字と膨大な借金が自然と発生して、日本国民は税金負担を覚悟しなければならないというような説明は、国家経営者が明らかに失敗した国家経営の責任を取る国民としては納得ができません。国家経営者が当事者でないかのような他人事の国家財政赤字は、国家経営者の国家経営の失敗の責任が明らかにされない限り、国民も負担を拒否したいと考えます。国家経営に失敗すれば、強制的に国民から取れば解決するという国家経営者の考えは根本的に国民として否定したいと思います。 「にっぽんNOW」にはわが国を家計にたとえて、資料が掲載されています。 平成16年の国家財政 国民家計にたとえると 税金収入 46兆円 月収 54万円 赤字返済国債費 −18兆円 ローン返済費 −21万円 一般歳出 −48兆円 家計支出 −56万円 地方交付税 −16兆円 田舎への仕送り −20万円 公債収入 37兆円 借金 43万円 公債残高 483兆円 ローン残高 6800万円 日本の国家経営は国民の生活家計で考えると、月収54万円の収入では足りずに、ローンが6800万円もあるにもかかわらず43万円の借金をして、支出が97万円の生活を続けている状況です。生活のために43万円も借金して、ローンや生活支出の不足を補填していれば、借金43万円で借金返済が21万円では22万円が借金として累積して行き、ローンの膨大な金額は増加していくばかりです。具体的に考えると、毎年日本政府は37兆円の借金をして、18兆円を返済するという国家経営で、毎年19兆円の借金が累積しています。返済できない借金の繰り返しの国家財政が現在の日本の国家経営の真実です。国民生活で考えれば、収入が54万円ですから、ローンと仕送りが41万円で、生活は残りの収入13万円で生きていくことが普通ですが、実際の国家経営では43万円を借金して、56万円の生活を続けている状況です。国民生活で考えれば、自己破産しなければならない状況ですが、日本の国家経営者は、危機感もなく国家経営の当事者の意識も責任もなく、他人事のように、国民に国家経営の責任負担を理解して欲しいと説明しています。税金が取れる国民が存在する限り、国家経営のどんな失敗やずさんな経営も責任も取らずに許されると日本の国家経営者は考えているのでしょうか。 政府は、国家経営の破綻による国家財政の厳しい状況に対して、3つの施策を考えています。 @国家と地方の三位一体の改革 これは、国家財政を国民の家計として考えた場合の田舎への仕送りを考え直すということです。 つまりは、地方交付税の16兆円を減らしていこうというわけです。 A社会保障制度の改革 これは、これまでの国家負担の社会制度から国民負担の社会制度への移行を意味します。 将来の国家財政をさらに悪化させる医療や年金の負担を国家負担から国民負担へと移行させて、将来の国家破綻を遅らせようというわけです。 B予算の重点化・効率化 いいかげんな国家経営の支出を重点的にかつ効率的にするということです。国家財政が危機的な状況にありながら、国民サービスの低下は容認できないとの理由から、国家公務員のリストラなどできませんから、実質的な国家予算削減は難しい状況です。税金がどのように使われているかの情報公開も制限的な政府の国民サービスなど、現在でも十分ではないのだから、リストラは避けられないはずですが、政府にはその気がありません。 日本の国家経営は、地方交付税を廃止して、一般歳出(省庁予算)を40%削減すれば、なんとか国家経営の財政は安定しますが、それでも地方自治体の財政赤字や今後増大する年金と医療の問題は解決できない問題として残ります。政府の地方自治体援助を打ち切り、省庁の人員と規模を40%削減しても、日本の国家経営はまだ多くの問題を抱え、危機的な状況です。国家公務員も40%のリストラなど、現在の日本政府はできないし、国家経営者の国家経営責任を取らされる日本国民が存在する限り、国家の放漫経営など改革するつもりもないでしょう。 現在、日本の国家経営は現時点での国家財政だけでは全く足りない状況にあります。日本の国内だけでも、教育問題、年金問題、福祉・医療問題、農業・食糧問題、原子力・エネルギー問題、産業育成・中小企業問題、廃棄物・環境問題、産業再生・雇用問題など、数多くの資金が必要な問題が解決されずに放置されてきました。もはや、日本社会の問題解決を可能にする国家経営の財源は、国民に対する増税しかありません。莫大な国家予算を使いながら、国民生活の安全と安心を実現できない国家経営をもはや信じることはできません。国民の意志に関係なく、勝手に国会で法案を作り、国民に増税してくる国家経営など、どうにかできないかと真剣に考えます。 日本政府に残された道は、年金財政と医療財政の問題を除外しても、日本国民の社会保障と税負担を収入の60%に上げるか、日本国債を保有する金融機関と国民に返済をしないことでしか、国家財政の健全化はありません。国債が紙くずになった歴史は過去の日本にもありましたから、日本国債が返せなくなる限界まで借金をして、将来の国家経営者と国民に責任を先送りすることも考えられます。将来の年金や医療の負担に、これまでの国家経営の失敗による財政赤字は、国民の税金で何とかしようとすれば、国民収入の70%を国家が強制的に徴収しても解決できるか疑問です。 「強小国」という言葉があります。小国だけれども、国民や国家が強い国家を形成しているというので、「強小国」と呼ばれます。具体的には、オランダやスイスやフィンランドやスウェーデンのことですが、大国ではないけれども「強国」の国家です。韓国サムスン・グループはかつてフランスやイギリスやドイツに囲まれた「強小国」をベンチマーキングして、韓国を「強小国」にするための企業経営を模索しました。国民が豊かになる国民所得1万ドルを超えるための国家における企業の役割と責任をサムスンは追及しました。10年間で税前利益が66倍になり、時価総額20倍という韓国サムスンが目指したのは、「強小国」の国家企業群でした。 大国であるために国民が疲弊する国家より、国民が豊かに暮らす強い「小国」を目指すと考えたのです。国民を欺かず、国民に嘘のない、国民に愛される企業経営をサムスンは徹底的に目指しました。今こそ、日本の国家経営者は「意味のない大国の威厳」にとらわれることのない「国民のための国家経営」に回帰して欲しいと思います。10年も前に規模の経営を捨て去ったサムスン・グループの経営を日本の国家経営者も学んで欲しいと思います。規模だけの国家経営は、もはや21世紀には必要ありません。「強小国」に日本が本気で学ぶ時代が来ているのです。 参考文献: 公開コンテンツ「日本の化学兵器の中国遺棄問題」 公開コンテンツ「危機意識なき日本」 臥龍通信第112号「日本の戦後と靖国問題A」 臥流通清第111号「日本の戦後と靖国問題@」 臥龍通信第109号「東シナ海ガス田問題」 臥龍通信第108号「中国から見た日本」 臥龍通信第106号「最近の中国対立」 臥龍通信第98号「日本の対中貿易」 臥龍通信第96号「中国のエネルギー戦略」 臥龍通信第94号「日本の教育」 臥龍通信第90号「韓国技術エリートの台頭」 臥龍通信第87号「IMDと社内大学」 参考資料:
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