May.2002
中嶋経営科学研究所 所長 中嶋 隆 |
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| 韓国の企業経営における価値観 韓国は軍閥と結託した財閥が、一族支配を続けながら、巨大企業として成長してきた。財閥グループの財務は公開されることはなく、不透明な一族の機密費が公然と存在した。韓国国内では、財閥の一族である血縁や地縁、学閥などに頼って、より優位な地位を確保しようとしてきた。韓国では中小企業は財閥の業者にすぎなかったが、その状況はIMF体制以降の金大中政権にはいって大きく変わった。財閥企業の経営の透明化は、一族の不透明な資金使用なども許さない状況を作り出した。必要であれば解体も辞さない大統領の出現は、財閥にとっては経済危機と同じくらいの危機感を与えた。今後、財閥のオーナー一族の企業支配力は弱まると思われるが、昇進や人事評価が急激に変わるというわけではない。やはり、能力よりも血縁、地縁、学閥が企業の地位に重要な影響力を持つことには変わりがないだろう。 このような財閥経営から逃れる契機がIMF危機化によるリストラであった。早期退職制度を利用した膨大な数の三星財閥出身者は、金大中大統領の政策に呼応して、ベンチャー企業を次々と生み出していった。このことが、三星財閥が「ベンチャー企業の産室」と呼ばれる所以である。血縁や地縁を超えた能力主義の企業経営がやっと韓国で始まりつつある。ベンチャー企業を生み出す人材には海外留学経験者も多く、財閥もすでに、創始者からその子、孫の代となり、海外留学経験者の経営になりつつある。財閥の新時代の経営者は皆、スタンフォード大学やハーバード大学、MITなどのMBAコースへの留学経験者である。新時代の財閥経営者は、欧米の大学のMBAホルダーで、世界的なネットワークを築いている。海外のMBAコースでは、アラブの石油王やフランス財閥の御曹司などを同窓生として学び、現在の韓国財閥指導者のネットワークは、電話一本で海外の政財界の指導者と直接話すことのできる状況が出来上がっている。 韓国の財閥はこれまでオーナー一族のものであり、顧客や社員、ましてや社会貢献など考えてもこなかった。財閥は政府から保護され、韓国市場への参入は輸入規制によって阻止されてきた。金大中政権になってからは輸入規制も緩和され、今後、財閥の存在が維持できるかは疑問の余地がある。 |
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